2019年6月5日水曜日

「手描き友禅展」@櫛かんざし美術館

今回、澤乃井園へ出かけた目的は、その近くにある「櫛かんざし美術館」▼で「手描き友禅」の展示と実演を見るためでした。
この美術館は澤乃井園と同じ、小沢酒造が経営しています。


櫛かんざし美術館は、この橋を渡った向こう側にあります。


美術館は澤乃井園からは徒歩10分ということでしたが、それがかなり急な山道で、ヒーコラ言いながら歩きました。
車で行くときは、別の立派な道があるのですが、歩いて行くのはかなり大変でした。


こちらが櫛かんざし美術館です。
外壁には大きな櫛が飾られていました。


ここには、江戸時代から昭和までのかんざし、約4000点が飾られています。


岡崎智子さんという方のコレクションだそうです。
櫛、かんざしの他に、はこせこ、かつら、印籠、など珍しいものがたくさんありました。


「友禅染め展」では、「腰原きもの工房」▼の作品が展示されていました。
腰原さんは青梅在住の方で、3代に渡って友禅染めをしているそうです。


着物や帯の他に、掛け軸や絵、扇子なども飾られていました。
友禅染めは扇子に絵を描いていた宮崎友禅斎という人が始めた、と言われていますが、今回はそれとは逆に、友禅染の絵師が扇子に絵を描いていました。

ご本人も会場にいらっしゃり、作業風景を見せて下さいました。
腰原さんのお話では、友禅染めは15ほどの作業工程があり、本来は別々の職人さんが担当しているのですが、腰原さんはすべてお一人でされるということでした。

まずは下絵の上に布を置いて、細いチューブ(デコレーションを作るときのような道具)に糊を入れて、それで糊で線を描きます。
この輪郭があると、絵の具が染み出ないということです。


とても細かい作業を根気よく続けていらっしゃいました。


その日の天気や湿度によっても、出来上がりが違ってくるとのこと。
そして絶妙な配色で、色を塗ります。


その後に、蒸したり、洗ったりする作業を経て、金を乗せたり、刺繍をしたりしてようやく出来上がります。
見事な技を見せていただきました。

美術館の周囲を散策しました。
周りは野生の庭園のようになっていました。


何という花かしら。


眼下には多摩川の流れが見えました。


多摩の新鮮な空気をたくさん吸って、そして美術館を後にしました。


 帰りは下り坂なので楽ちんでした。
スイスイと澤乃井園まで到着しました。


名物の酒まんじゅうが売り切れになってしまい、残念でした。


「澤乃井園」と友禅染めを楽しんだ五月の土曜日でした。

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この日の装い。

セオアルファーの単衣着物。
さらさらしていて、涼しい着物です。


帯は黄色の濃淡の麻帯にしました。
写真だと色が飛んでしまっていますね。




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