先月、沼津の「若山牧水記念館」に寄った時▼、俵万智さんが牧水について書いている本を見つけました。
その後、たまたま図書館で俵さんの「牧水の恋」という本が目についたので、借りてきました。
私は和歌の世界はまるで分かりませんが、俵さんの本なら少しは理解できるかと思ったからです。
この本では、牧水の和歌のところは適当に読み流し、俵さんの書いた平易な文章だけ、そこだけを抜き取るようにして読みました。
牧水は「旅するおじさん」というイメージが強かったのですが、いやはや彼は実はかなりの恋多き男だったのですね。それに酒乱だったらしい。
有名な句がありました。
「幾山河越えさりゆかば寂しさのはてなむ国ぞけふも旅ゆく」
「白鳥は哀しからずや海の青そらのあをにも染まずただよふ」
これって実は彼がまだ早稲田の学生の時に作った歌なのです。
そしてどちらも、自分の恋する気持ちを押さえきれずに作ったもののようです。
彼の愛する人というのは、驚いたことに、二人の子持ちの既婚女性だったのです。
それを知らずに恋してしまって、牧水は悶々としていたようです。
彼女(小枝子さん)は、ものすごい美人でした。
おかしかったことは、牧水は彼女の年齢を知らずに付き合い始めましたが、節分の時、年の数だけ豆を拾って食べる場面に出会って、その時に実は一つ年上だと分かったそうです。
その場面を想像すると、なんだか笑えますね。
その後、二人は房総半島の海辺の宿で(?)、めでたく結ばれたようですが、その時の歌は、牧水の意気揚々とした気持ちがあふれんばかりでした。
彼は恋に有頂天になっていました。
接吻、接吻、接吻
彼女の長い黒髪
白いうなじ
寝姿・・・・
こんなのろけた言葉が和歌になっていました。
ただしこの恋も長くは続かず、この女性はどうも二股をかけていたようで、もう一人の男(いとこ)と結婚してしまいます。
恋に破れた牧水は酒におぼれ、結局それが命取りになって、若くして亡くなってしまったようです。
ただ彼は失恋の後には、文学少女のような別の女性とめぐり会い、結婚して、2男2女をもうけました。
俵さんの本を読んで、牧水のイメージがまるで変わりましたね。
女性に惚れっぽくて、たくさんの歌を作り、たくさのん手紙を残し、たくさんの友人と付き合った男。
今でもこういう男はいるのかしら。
自分の感情を抑えることができず、そして大酒のみ。
もし私の身近にこういう男がいたら、ちょっとうっとうしいと思うかもしれませんね。
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