繁田信一さんという研究者の書いた「紫式部の父親たち」です。
サブタイトルは「中級貴族たちの王朝時代へ」。
私は「源氏物語を楽しむ会」に参加していますが、実は「源氏物語」そのものには、それほど強い思い入れはありません。
どちらかというと源氏物語を書いた紫式部の人生や、平安時代の歴史背景などに興味があります。
ということで、この本は、ものすごく面白そう。
紫式部の父親は、職のない浪人時代が10年ほど続き、そしてようやく就職先が決まった父親の赴任に伴い、彼女も越前に出かけたと、先日のブログ▼に書きましたが、そのことが「源氏物語」をあれほど有名にした原因であるという説をとっています。
つまり彼女は若い結婚適齢期の頃に父親が職を失い、政治的にも経済的にも力をもっていなかった。
ということで、強力な後ろ盾がないので結婚できず、そのような環境では物語を書くことくらいしかできなかった、というのです。
つまり婚期を逃したオールドミスの女性がせっせと書いたのが、源氏物語であり、そしてその後、宮中に上ってからも書き続けたということでした。
そしてもし紫式部の父親がちゃんとした地位を務めていたら、彼女もそれ相応の結婚相手を見つけて家庭に入っただろうから、源氏物語は生まれなかったかもしれない、というのです。
なかなか面白そうな説です。
ということでちょっと手にしてみましたが、古文と漢文がずらずら続き、そこは適当に吹っ飛ばして読んでみることにします。
なお、この本の表紙の人は、その藤原為時さんだそうです。
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