先日、新宿区立歴史博物館へ行きました▼が、その時に通った道が面白い名前で、おまけにすごく急な坂道でしたので、印象に残りました。
「津の守坂通り」という名前の道でした。
「津」というと、海の近くにある名称だと思うのですが、新宿区の真ん中に海があったとは思えず、ちょっと気になりました。
標識を見ると、この坂は「江戸時代、坂下西側に美濃高須藩主松平摂津守上屋敷があり、その摂津の<せっつのかみ>が<つのかみ>に変化したのが、名前の由来」だそうです。
「摂津」を「津」に略してしまったというのも、なんだかおかしいですね。三重県の「津」とはまるで関係がなかったようです。
ちなみに摂津というと、現在の大阪や兵庫県あたりになります。
この坂は、地下鉄丸ノ内線が通っている新宿通りには、「津の守坂通り入り口」という標識が立っていました。初めは平たんな道ですが、坂を通るにしたがって、下り坂になり、靖国通りにぶちあたります。
写真では分かりませんが、なかなか急な坂です。
ただし不思議なことに、その場所は「合羽坂下」というのです。「津の守坂下」のほうが、分かりやすいと思うのですが。
今回、博物館に行った時は、まず都営新宿線の曙橋駅で降りて、そしてこの「津の守坂通り」を上っていったのですが、けっこうきつい勾配でした。
実はこの辺りは、三味線の「那胡の会」の会場に行くときに、近くを通っています。それで坂のある町だということは分かっていました。近くには「暗闇坂」というのもありますが、この坂は本当に急な坂で歩くのもしんどいところです。
それで坂上にあたる四谷三丁目から行けばそれほどキツイ道でないとは分かっていましたが、ついついシルバーパスを使って都営新宿線のほうから行ったため、上り坂で苦労したわけです。
津の守坂を左折して歴史博物館に行く細い道も、平たんではありましたが、右側は急な崖の断面が見えたりして、地形的には激しいところなのかもしれません。
このあたり、小料理屋さんが多いところのようですが、でもコロナによる営業自粛のためか分かりませんが、それほどお店があるとは感じられませんでした。
ちなみに、尾崎紅葉の「金色夜叉」では、高利貸しの間貫一がこの坂で暴漢に襲われた、という場面が描かれているそうです。
先日、「東京23区 凸凹地図」を購入しました。
この地図によると、この道の西には「荒木町の窪地」というのがあるそうで、「松平摂津守の上屋敷だった場所。谷を堤でふさぎ窪地にして作られた池が残る」と記載されていました。ちょっと見過ごしてしまったようで残念です。
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「一日一句」
坂の道 歩いて楽しむ 春景色
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