今日のブログは、ちょいとマニアックです。
それは源氏物語における源典侍(げんのないしのすけ)の存在です。
この特異性に気がついたのは、なんと白川紺子さんの「下鴨アンティーク」を読んでからです。
それで忘れないように、ちょっとブログにアップしておきます。
この小説の第一章「アリスと紫式部」はそのタイトルから分かるように、源氏物語のある部分が謎解きのヒントとなっています。
具体的には葵の上と六条御息所の、それぞれの家来同士の車の場所取り争いです。
二人のうち、一人は光源氏の正妻、もうひとりは愛人という立場です。
その二人が賀茂の祭(葵祭)の見物に出かけて、良い場所を取ろうとして、牛車同士がぶつかるという場面です。
漫画「あさきゆめみし」ではこんな感じで描かれていました。大混乱の様子ですね。
この場面はとても有名で、車争いに負けた六条御息所は、辱めのため、その後、怨念を持つようになるのです。
と、私もこの場面はよく覚えていましたが、実は今回、下鴨アンティークの謎解きを読んで、新たな発見がありました。
というのは、この翌日(やはり祭の最中)の場面には、ある人が登場していたのを思い出したのでした。
それはなんと、あの色好みの老女、源典侍もこの後に出番があったのでした。
漫画では、ちょこっとだけ描かれていました。
そうだったわ、祭の人混みで、光源氏は彼女から思わせぶりな挨拶をされて、そして牛車の良い場所を教えてもらったのでした。
源典侍が登場するのは、光源氏がティーンエイジャーの頃の「紅葉賀」(頭中将との三角関係?の場面)と、現在、私たちの読書会で読んでいる「朝顔」(源典侍が尼になってから)の2箇所だけだと思いこんでいました。「葵」にも登場していたとは、すっかり忘れていました。
それが「下鴨アンティーク」のおかげで、この場面にも登場していたということが思い出されたのでした。
いずれにせよ、若いときに数回付き合った人との、その後の出会いというのも面白いものです。
紫式部が源氏物語を書いたのは、今から千年以上も昔のことです。
その物語をヒントとして、現代の小説にも車争いが登場するというのは、ご本人も思いもつかない展開だったことでしょうね。
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一日一句
これだから 秋の謎解き やめられぬ
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