今年の4月の末に、西荻窪の「一欅庵」で開かれた和の小物展に行きました。
その時、5月に同じ場所で源氏物語の朗読があるというので、すぐに申し込んでみました。
昨日は、その催しに参加してきました。
イベントに先立ち、一欅庵のご当主(私の友人の友人)が、登録有形文化財であるお宅の案内をしてくださいました。
昭和8年に建てられた和洋折衷のおうちです。
ご当主のお祖父様の趣味が、随所にあふれる室内でした。
一欅庵にはこれまで数回、お邪魔していますが、やはりここで育った方から直接、説明を受け、これまでとはまるで違った感じがしました。
窓を開けると、すぐ緑のお庭が見えるというのが嬉しいですね。
一番驚いたのは、2階から見えたお隣のおたくは国語学者の金田一先生のおウチだったということです。ご当主と同じ年頃の子供さんがいて、仲良く遊んでいたという話は、さすがご本人ならではのお話だと思いました。
今回の催しは、佐々木亜希子さんによる源氏物語の朗読と、明楽みゆきさんのチェンバロ演奏のコラボレーションでした。
源氏物語とチェンバロがどのように組み合わされるのか、興味がありました。
佐々木さんは活動写真弁士としてご活躍中の方で、阪妻の映画の弁士もされていらっしゃいます。そのため、滑舌も良く、超長編小説である源氏物語のあらすじをうまくダイジェストにして、70分間の朗読劇に仕上げていました。
有名な「桐壺」の巻から始まりましたが、たとえば雨夜の品定めとか、末摘花の話などはカットして、光源氏の人生だけを抽出した物語に仕上げていたので、話が分かりやすくなっていたと思いました。
お話の効果音や、区切りの部分にはチェンバロ演奏がうまく組み合わさっていました。
また登場人物の相関図も配布されたので、源氏物語初心者にも、お話がよく見えたと思いました。
その後に、チェンバロの解説と演奏がありました。
朗読と演奏の後には、洋間でお茶の接待もありました。佐々木さんの故郷である山形のお菓子を頂戴しました。古鏡(こきょう)という和菓子でした。
以下はちょっと蛇足です。
私は山形県には行ったことがありませんが、今読んでいる川の本に、山形県を流れる最上川のことが書いてあるので、山形県にも興味を持ちました。
その本の中で、芭蕉の俳句
「五月雨をあつめて早し最上川」は、当初は
「五月雨をあつめてすずし最上川」だったということが書いてありました。
これは芭蕉が最初は想像で作った俳句であり、実際に最上川に行って舟に乗ってみると、その水量に驚き、そして「早し」に直したのではなかろうかということでした。
佐々木さんは北前船の大使もされているそうなので、また機会があれば、いろいろなお話を聞いてみたいものだと思いました。
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この日の装い。
急に暑くなったので、夏用の着物です。サッカー生地のようにでこぼこがあるので、肌に着く部分が少なくあまり暑さを感じないのです。
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