フォークダンスはコロナでお休み、スポーツクラブは施設修理のためお休み、ということでこの夏は図書館通いです。
私は女性の作家による歴史小説(実際に生きていた人が登場する物語)が好きです。
今回、手にしたのは平岩弓枝さんの「千姫様」。
千姫は豊臣秀頼の奥方でしたが、徳川家康の孫でもあるので大坂冬の陣、夏の陣の難から逃れ、その後は徳川方として生き延びた女性です。
母のお江与の方や、伯母の淀君にも似て、美しいお姫様でしたが、秀頼が亡くなった後は本多忠刻という播磨の国の素敵な人と巡り合い、幸せな再婚をしました。
そして姫路城で暮らしていました。
かつては豊臣方に嫁いだ女性ですが、実家の大御所や実弟である将軍にも愛されていました。
ところが《秀頼はまだ生きている》という世間の噂もあり、なかなか心穏やかに過ごすことはできません。
そんな千姫のお話でした。
夫との仲睦まじい場面や、弟である家光との会話などがとても自然で、目の前にその様子や心の移り変わりが浮かんでくるようでした。
また三帆という侍女の女性を創作して、彼女の怪しさが物語のよい味付けとなっていました。
ほんとうにうまい小説だな、と思う筆使いですが、平岩弓枝さんという作家は現代小説となると、いわゆる通俗小説になってしまい、おもしろくもなんともありません。これが「御宿かわせみ」を何作も描いた人とは思えないほどです。
千姫の物語は、以前にも別の作家の話を読んでいましたが、今回は、著者の千姫にかける優しい愛情が溢れていて、気持ちのよい読後感となりました。
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「一日一句」
憧れは 戦国の世の お姫様
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