先日、四谷の紀尾井小ホールで藤舎理生さんの笛のリサイタルを聴いてきました。
演奏されたのは、
能との競演「三番叟」
笛の独奏「遊月」
長唄三味線との競演「狂獅子」
笙との競演「天界一会」(理生さん作曲)
と、趣向が凝らされていました。
司会の葛西聖司さんの解説によると、理生さんは静岡の生まれですが、同志社大学に進まれた時に京都で笛と出会い、この道40年というベテランです。
笛はつねに30本以上も携えて、微妙な音色を演奏されるそうです。
今回もいろいろな楽器との競演でしたが、私はだいぶ前に、チェンバロとの競演コンサートも聞く機会がありました。
こちら▼
https://toshiko72.blogspot.com/2010/04/blog-post_18.html?m=1
今回、笛の会に出かけたのは、私の三味線の先生も出演されていたからです。今藤流の女性4人の競演でした。
「狂獅子」という超難しい曲を演奏されていて、感激しました。先生ご自身からも手強い曲だとお聞きしていましたが、三味線の調子が何回も変わったり、弾く手がものすごくややこしそうで、すごい演奏でした。
雅楽の笙の笛との競演も良かったです。
笛の演奏を聞いていて思ったことは、三味線や鼓、あるいはピアノやバイオリンなどは、人間が「楽器」を使って音を出しているのですが、笛は人間の口とすぐに繋がっているので、「楽器」というよりも人間の体の一部から音を出しているのだと思いました。
そして一曲終わると、指でそっと笛を横に拭うポーズが、笛を愛おしむ気持ちに見えて、とても素敵でした。
休憩時間は、ロビーから新宿の町を眺めていました。
理生さんは、初めの2曲は黒紋付姿できりりと演奏されていましたが、休憩後は目にも鮮やかな水色の色無地着物で登場されました。地紋が浮き出ていて、その模様がライトに照らされて、とても美しいお姿でした。
合せた帯も淡い水色で、大柄の七宝模様が格調高くて素敵でした。
会場にいらっしゃっていたお客様も、歌舞伎や三味線の会よりも、着物の着用率が高かったと感じました。
それもすごく高そうなお着物をさらりと着こなしている年配の方が多くて、しばし見とれていたくらいです。
中でも85歳以上とお見かけしたおばさまは、白髪に淡いピンクベージュの訪問着がとてもきれいでした。年をとっても美しい色の着物をお召しになっているのは、そばで拝見するだけで嬉しいものですね。
音楽を聞くだけでも良いのですが、色々な方の着物姿を拝見するのも楽しんでいます。
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この日の装い。
かなり昔に誂えたオシャレな紬です。ぼかしの中に、スワトー刺繍が施されています。
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「一日一句」
秋深し 心に響く 笛の音
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