少し前のことになりますが、63 回目の「源氏物語を楽しむ会」を開催しました。
この日の参加者は2名だけでしたので、雑談を交えながら、のんびりと行いました。
まずSさんが、Kindleの「源氏物語」の原文を段落ごとに読みました。
次に今回は、私のタブレットにインストールしてある「青空文庫」の与謝野晶子の現代語訳を読みました。こちらは明治から大正時代にかけての約100年前の訳なので、かなり古風な日本語という部分もありました。
たとえば、光源氏の正妻格である紫の上のことを、「紫夫人」とか「紫の女王(にょおう)」と訳していました。ちょっと彼女のイメージが違うような気がしました。
今まで色々な方の現代語訳を見ましたが、私は個人的には現代の人向けなら、林望先生の訳が分かりやすく、注も見やすくて、好きですね。
ちなみに私が使っている原文テキストは、角川ソフィア文庫版です。玉上啄彌の訳ですが、こちらも戦後の昭和43年が初版なので、すでに半世紀以上経ち、昔の日本語となっています。
さて、今回の部分は、お正月の二日目の行事について、書かれていました。
明石の君の住まいから朝帰りした光源氏は、紫の上のところに戻りますが、たぬき寝入りをしてしまいます。
この日、六条院では臨時の饗宴があり、親王や高官たちが集い、管弦の合奏が聞こえてきました。
特にこの年は、玉鬘という年若い姫君がいらっしゃるということで、若い高官たちは、例年と違うウキウキした様子でした。
現代でも、毎年1月2日には、皇居において天皇皇后が宮殿ベランダに立ち、国民から祝賀を受ける行事がありますね。
このような行事が長らく続いているのですね。
多忙な生活を送る現代では、年末年始も仕事がある人にとっては、馴染まないしきたりかもしれませんが、やはり日本人には、正月は特別なけじめの行事だろうと思います。
新年から数日後に、光源氏は常陸宮の姫君である末摘花(鼻の赤い女性)を訪れます。彼女は黒髪だけが取り柄でしたが、その髪も白髪交じりにすすけてしまい、着るものも無頓着なおばさんなっています。そんな彼女を半分憐れみながら、絹を贈ったのでした。
この後は、空蝉のところに訪問します。かつて光源氏が 十代の頃に愛した人妻も、今は尼となって二条東院で暮らしています。
それぞれ、ちがう身分や環境の女性たちです。
前回でも、光源氏は多くの女性たちの住まいを訪問しましたが、これはかなりマメな男性でないと、できないことかもしれません。
「初音」は、まだ終了しませんでした。
このあと、下高井戸駅から世田谷線と小田急線を乗り継いで、狛江まで出かけました。
下高井戸駅の周辺は、来る度に、お店の様子が変わっています。
それにしても、オレンジ色の派手な車体の世田谷線です。
広告主は、都内の城南地区にある投資型マンションのようです。
千年前の平安の世界から、急に現代社会へと戻ってきました。
昔と変わらない人間の心情もあれば、一月だけで変わってしまう社会もあります。
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この日の装い。
9月半ばといえ、とても暑い日でしたので、浴衣にしました。
女優の駒塚由衣さんのバザーで見つけました。芝草柄の浴衣です。お祖母様がお召になっていたという昭和のものです。チビな私にぴったりの寸法です。
紫色の帯締めは自作品。辛子色のポツポツが気に入っています。
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「一日一句」
千代の世に 変わらぬ年賀 変わる街
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