どうしてこういう脳科学の企画に行ってみようかと思い立ったのかというと、もちろん仕事の関係者が登場したり、一度はこの目で著名人を拝見してみたいというミーハー的下心があったのは当然。
それより最近、自分の記憶力の衰えがどうしようもなく、ああ、こんなに物覚えが悪くなってどうしようと、落胆する日々が続いていた。
大好きな作家、夏樹静子の「明日の貌」という本に書かれていることは、まるで自分そのものではないか。
また渡辺謙が主演した「明日の朝」の主人公にも身に覚えがあるのだ。
自転車を駐輪場などに置いて、その後、電車に乗って出かけて、帰宅するときは自転車のことなど忘れて、そのまま駅から帰宅してしまう。それで、翌朝、出勤するときまで気がつかず、自宅の自転車置場に行って自転車の姿がないのに気付き、ようやく「あ~!」ということが、何回もあった。
先日も勤務先の駐輪場に自転車が見当たらないので、「盗られた!」と叫びそうになってしまったのだが、なんと、別の場所に置いていたのを忘れていただけだったのだ。こういう情けないことが続いていた。
もう私の頭は崩壊の危機に面しているのかしら、とがっくりと、それでも他人には笑い話としてすませていた。
そんな情けない日々を送っていたとき、イタリアの話を聞いて、はたと、30年前以上昔に行ったフィレンツェの川の名前をありありと思い出したのだ。
フィレンツェに流れる川はアルノ川だった。そしてその街の風景やバスから見た景色、どこまでも続くオリーブ畑がぱーっと脳裏に浮かび上がってきた。
ええ、どうして?
どうして思い出せたんだろう?
ちょうどその頃、高校時代の友人から、そのまた友人の同級生がブログを公開していると教えてくれて、図々しくもそこに参加してみた。
そうしたら、それこそ××年間も一度も会ったことのなかった彼や彼女たちが生き生きして登場しているではないか。
ブログに載っている写真を見ると、すぐに「あ、この人だ!」と分かる。
ずーっと長いこと引き出しにしまっておいた記憶が次から次から湧き出してきた。
修学旅行の日は雨だったとか、あのときにどうしたとか・・・・・。
もう懐かしさ一杯になり、中年男女の友情(?)が復活という状況になった。
おまけに10年ほどお会いしていなかった叔父がある日亡くなったのだが、その葬式で再会した音信不通だったいとこ達との出会い。
どういう因縁か、このところ、古い出来事が重なりあい、そして私の脳内にいろんな出来事が復活してきた。
これってどういうこと?
私が年を取ってきた、という当然のことではあるのだが。
でもどうしてそれまで思い出しもしなかったできごとが、ある日、急にくっきり、鮮明に思い出されるのだろう。
不思議、不思議の私の脳なんだけど、それは私だけの出来事ではないはず。
そんなことをちゃんと研究している有能な研究者の発表を聞かない手はない。
ということでチャンス到来と、ほぼ毎月1回、お台場にある日本科学未来館、東銀座の時事通信ホール、大手町にある経団連会館などに足繁く通うことになったのだ。
さて、私の不思議は解決できたでしょうか。
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