2007年12月14日金曜日

愛ルケ その1


流行からはちょっと遅れているけれど、映画でも話題になった渡辺淳一の「愛の流刑地」を図書館で借りて読んでいる。通称、愛ルケというそうです。

どうしてそんな本を読む気になったかって?

これまで渡辺淳一の本は数冊しか読んでいないし、かの有名な「失楽園」も知らないし、彼の女性観があまりに古めかしくて嫌いだったけど、日経新聞で話題になったというので、どんなもんかいな、と思って読み出しました。
上下2巻なので、今日はまずは上巻から。

主人公はかつては流行作家だった55歳の男。
その彼のファンだという36歳の3人の子持ち女性と仲が良くなるお話。

いつもの渡辺本のとおり、この二人の付き合いの濃さを、微に入り細に入り、詳しく紹介してあります。
二人のお付き合いの中身が、あ~ら、あんなこと、こんなことまで飽きるほど詳細に書いてあるの。

もし、私がこういう小説を書くとしても、そういう情愛のシーンになったら、そうね、
「二人は一つになって、そして燃え上がった」くらいで終わってしまうだろうな。
それなのに、そういうようなシーンも、何ページも何ページも詳しく生々しく、手順が書いてあるのよ。

こういう内容の小説が、どうして日経に掲載されたのか不明だけど、世の中のお父さんたちは満員電車でどういう顔をして、この新聞小説を読んでいたのかしら、と思うと笑ってしまいそう。

それにしても男性作家の描く理想の女性像って、すごくワンパターンなのよ。
色白で、楚々としていて、和服が似合い、一歩引き下がっている・・・・・。

今どき、こんな人はいないでしょうと、突っ込みをいれたくなるわ。

そういう女性を手練手管で育てるのがこの男の趣味のようなのね。

それにしても、この二人の付き合い方って、本当の大人とは思えないのよ。
逢瀬というと、ホテルでただ抱き合っているだけなの。
最初二人は京都で出会ったのだけど、そこでもそうだし、その後の東京でも、箱根でもとにかく、その方面のお付き合いだけなの。

何の会話もなく、一緒に映画を見るでもなく、美術館に行くでもなく、単にSEXのとりこなの。そういう男と付き合うのは楽しいのかしらね。いくらテクニシャンであっても、飽きないのかな~と疑問すら感じます。全然、男の価値観が見えてこないのよね。

第一に、私はこの男の魅力が全然分からないの。年齢と職業が分かるだけで、ヒロインがこの男のどこに惚れたのかが不明。
ユーモアもなさそうだし、センスもなさそうだし、どんな能力があるのかも分からないのに、よくそんな男と付き合うな、と思います。

おまけに二人の連絡は携帯メールなのだけど、文章の最後にハートマークをつけるんだって!
そんな55歳の男がいるか? 
気持ち悪いですよね。
高校生でもあるまいし。

ということで、私はこの男にけちの付け放題。

ということで、上巻はおしまい。

下巻はいよいよ、この男がその最中に女の人の首を絞めて殺してしまう・・・・というところに入ります。

そのお話はまたね。

2 件のコメント:

  1. 眠れなくて暇過ぎて、皆さんの最初のページを読んでみる、と云う意味不明なことをしておりましたら、このトピックスに釘付け(笑)
    TVドラマver.は長ーいAVみたいでうんざりして、最初しか観られなかったのです。
    映画は豊川悦司と寺島しのぶ、個性的なおふたりで、見てみたいと思っていましたが、結局映画館にゆかず、今に至っております。

    いえ、ゆかなくて良かった(笑)
    記事を拝見しながら、爆笑しています。
    下らねー!(呆)
    ❤マークなんかつけられた日にゃ、すっ飛んでって頭蹴り飛ばします!
    そんな色ボケじじい、本気で相手をする女はお馬鹿さんに違いないっ!
    命を大事にしろと言いたいです渡辺某!
    怒っている訳ではありませんよ(笑)
    むしろとしちゃんさんの文章に爆笑。
    アマゾンのレビューにそのまま書きたいぐらい(笑)
    下巻についても何処かにあるのかしら?
    またウロついてみまーす!

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  2. 史子さん、こんなところまで読んでくれてありがとう。自分でもこんなこと書いていたこと、忘れていたくらい昔だわ。ちょうど一年前のブログですね。
    そういえば、渡辺淳一が書いた「源氏物語の女性たち」とかいう本があるんだけど、これもひどいことが書いてあるのよ。源氏が六条御息所に嫌気がさしたのは、彼女が不感症だっただろうとか、アホみたい。

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