2007年12月5日水曜日

愛は脳を活性化させる



すごく強烈なタイトルだけど、私が考えたのではないのよ。

松本元先生と言う著名な脳科学者の書いた本のタイトルです。岩波ライブラリーから出ています。

私って、本を読んでも、その本の中で著者が言いたかったことのすべてはいつも理解できないし、分かったと思っていてもすぐに内容を忘れてしまうの。
でも、その本の中で、一行くらいはずっと覚え続けている言葉がある。

この本「愛は脳を活性化させる」の場合、それは「人は関係性の中でしか生きていけない」という言葉でした。
それを松本先生は「関係欲求」という用語で解説していたの。
人間は、「関係欲求」が満たされない時、つまり人に分かってもらえないと、生きられない存在だという。

でもね、人は常に他人と分かり合えたり、理解し合えたりできるとは限らないわ。
誤解だって多いはず。
できない場合のほうが多いかもしれない。

松本先生は、人が分かり合えないのは、それぞれに生まれ育った学習体験の中で、脳の情報処理の特性を獲得し、脳の内部世界を作り上げるためであり、そういう仕組みが脳にあるから、分かり合えないのだというの。まあ、難しい言葉で言えばそうなんでしょうね。育った環境によって、物事の捉え方もちがってくるものね。

「われわれ一人一人の内部世界が異なるのは、生まれ育った環境や文化背景がそれぞれ異なり、体験してきたことがちがうから、互いに違った情報処理システムをもっているから。」だということです、それはそうね。

人間って、ジコチューな生き物なのよ。
だから、人と人とのコミュニケーションは、分かり合えないほうがむしろ普通かもしれないわね。

人に分かってもらえない時、それは辛いわね。
でもね、松本先生はこう述べているの。

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苦しみや困難は、受け入れる勇気が必要である。
困難や苦しみに遭遇したとき、人は自分でそれに立ち向かい、その解決の道を自分で探り出す努力の中で、そのための脳の回路を形成する。
そしてそれを乗り越えるステップを発見して成長して行く。
こういうとき、困難や苦しみから逃げないで立ち向かう勇気は、愛によって与えられる。
愛は人が成長する源であり、心の活性化エネルギーである。
脳にとって最大の価値、そして活性化のもとは、関係欲求の充足であり、それは愛という概念で表現されるものである。
自分の内部世界を変える機会が与えられたと考えるべき。

われわれが変わりたくないというのは、脳のシステムから見ると、追加学習によって胎児のうちから積み上げ、階層構造的に作ってきた内部世界を変えるには深層の部分からの変更を伴うために大きな決断とエネルギーが要る。
こうした困難や苦しみに対処するエネルギーは愛によってもたらされる。
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うーん、なるほどね。
苦しいことに立ち向かおうとするエネルギーは愛から生まれるのか。

本の後半では、脳科学とキリスト教との関係を述べているの。
これが科学者の書く本とは思えないほどよ。
だから松本先生のことは、すごく好きな人と、どうもね、と言う人がいるみたいです。

私が思うに、松本先生はかなり聖書の勉強をされた方のよう。
聖書の精神はその人の存在そのものを認めるのが愛であるという。
つまりその人の存在を受容することで関係欲求を満たすのであるというの。

これによって最高の快情報を得る。その結果、自分を受け入れてくれた人には、快応答を返すことができるようになる。と書いてあるけど、そうね、自分のことをそのまま、受け止めてくれる人っていいわね。
なかなかそうい大きな包容力のある人っていないかもしれないけどね。

松本先生の原理は、愛を基調とした新しい自然科学 ?? と言えるのかもしれないわ。

2 件のコメント:

  1. あるがままに・・自分を受け入れてくれる人がいる、大事なことかもしれない・・でも、そんな出会いはなかなかないかもしれないし、また、受け入れてくれるからといって、その人(達)だけというのも、また社会性が育たなくなる危険性もある・・どういう中でも、ある部分、心の自由さを、保てたらと思う。今の日本は、その人の存在そのものを認めるという環境がかなりなくなっているよね。エネルギーと言うのは,愛の場合もあるし、また負の要素から生まれる場合もあるし・・それぞれそれが何だろうと・・違うところが面白い・・・

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  2. うーん、今日のトントンは哲学的ね。

    確かに自分を認めてくれるのは嬉しいけれど、そういう人ばかりの中にいたら、わがままになってしまうかもしれないわね。

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