2007年12月26日水曜日

愛ルケ その2


だいぶ前になるけれど、「愛の流刑地」の上巻にケチをつけ放題しました。

だって私にとって、この主人公の男には全然、魅力を感じないんですもの。

下巻もすぐに読み終えたのだけど、なんとなく書きそびれていました。

でも内容的には上巻よりも下巻のほうが優れているのでは、という感想でした。
裁判の様子とか、牢屋での様子とかが分かりやすく描かれている。

でもねえ、いくら女の人から「私を殺して」と言われたとしても、本当に殺してしまう人がいるかしら?
55歳の男が、その最中によ。
いくら夢中になってたとはいえ、よくよく考えてみれば、相手の女性にはダンナさんも子供もいるんだし、自分だってこれから作家として再起をかけようとしているのに、本気になって首をしめてしまうなんて。。。

もちろん小説だからウソっぽいのは仕方がないけれど、ストーリー以前に、小さい子供のいる主婦が、そんなに何回も、昼も夜も逢瀬を重ねることができるのかしら、というのが率直な疑問だわ。

結局、この男は女の人を殺してしまった罪で、裁判で8年という量刑になるのだけれど、それが長いのか短いのかは私には分かりません。

この女の人だって、自分が殺されれば、この男が殺人犯になってしまうというのは、想像がついたはずだわ。それなのに自分を殺してくれと熱願したというのは、どこかでこの男を憎んでいたのかしら?
愛情が極まって、憎しみに変化したのかしらね?

当分、渡辺淳一の本は読まないと思うけれど、彼も70歳を越しているはず。そういう年齢になっても、これだけの内容を書けるというのは、すごいな~とは思います。こういう人を精力的というのかもね。

この本は昨年かしら、映画化やテレビ化されてすごく評判になったらしけれど、私は文字で読んだものと映像化されたものは別物だと思っているので、あえてDVDなどで見ようとは思いません。

こういう主人公よりも、私なら、もっと能力があって、それでいて優しくて、そして努力している男がいいわ。

と、好き勝手なことを言ってばかりね。

4 件のコメント:

  1. 「愛ルケ」、本は途中で投げ出しましたが、映画は観ました。けっこう、過激でしたねぇ。主人公のふたりに、私としては全くもって共感できませんでした。
    そもそも、彼の描く女性は類型的ですよね。着物の似合う日本的な女性。そして着やせする人(苦笑)
    宮本輝の作品のほうが、私はずっと好きです。

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  2. マサさん、コメントありがとうございます。
    そうそう、彼の描く女性ってワンパターンなんですよね。色白で和服が似合って一歩下がって歩く、いまどきこんな人はいないですよね。
    同感していただいて、ほっとしましたわ。

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  3. 見つけました(笑)
    このようなお話、海外では書き尽くされてますねー。
    それも退廃的な作風の作家によって。
    エロ小説を文学と云わしめるには、内容が美しくなければなりませぬ。
    それが出来ないなら出来ないで、団鬼六みたいにエロです、と云う姿勢を貫いて欲しー!
    和服美人&着痩せさん、ドラマに出ていた高岡早紀そのまんまじゃないですかっ!
    世のおぢさんたちは、真剣にそんなお話を読むのですか?
    それなら東スポの裸オンパレードのページを、電車で食い入るように見ているおっさんの方がマシです!
    ぶっちゃけ書いてしまいますけど、そう云うおぢさんは風俗にゆくべきだと思います(笑)
    文学と云う名のもとにしか、欲求を満たせない、ええかっこしいですね。
    うちの父がそんなおぢさんじゃなくて良かったと、心から思います。
    パパありがとう(笑)
    いや、ご紹介して下さって良かったですー。
    危なく見ちゃうところでした(笑)
    たくさん書きこんですみません
    m(_ _)m

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  4. TVでは高岡早紀だったのね。映画はたしか富士(?)純子の娘(名前、ど忘れしちゃった)でしたね。
    そうか、史子さんのパパさんはこの年代なの? ということは我々世代?
    急に諏訪ッチさんの姿が思い浮かんでしまいました。
    うーん、そうか、そうなのね、と一人で納得しています。

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