2008年6月4日水曜日

どっぷり源氏


人が京都に行きたいと思うとき、いろんな理由があると思うの。

たとえば、「金閣・銀閣・清水寺を見てみたい」という京都初心者もいるだろうし、
「舞妓さんに変身してみたい」という人もいるだろうし、
「失恋の痛手を慰めて欲しい」という理由で京都に出かける人もいると思うのよ。

今回の私の京都旅行の目的は、ずばり「どっぷり源氏」だったのでした。


前回、4月に八重桜見物で京都に出かけたとき、ホテルのパンフレットで源氏物語ツアーというのを見つけたの。

何でも紫式部のお墓やら、野宮神社とかを一日がかりでバスで出かけて、どこかで昼食を取るだけで費用が8,000円以上だったのよ。

うわー、そりゃ高いわ。

それなら自分で行きたいところに行ったほうがいいじゃない、というのであれこれ、行きたいところをチェックしていたの。

そうしたら京都文化博物館で「源氏物語千年紀展」というのが6月8日まで開催されていると分かって、どうしてもそれに合わせて行きたくなったの。

おまけに新聞で「山口伊太郎源氏物語錦絵巻展」というのも開かれていると分かったり、またTさんから「貴了館」というところの源氏物語刺繍展というのを教えてもらったので、こりゃ、絶対にはずせないと思ったのよ。

そうして今回の「どっぷり源氏物語ツアー」が実現したのでした。

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6月3日の早朝に東京を立って、京都にはお昼前に到着しました。

そこから「地下鉄一日乗車券」600円を購入して、まずは今出川まで。


京都在住のSさんと会えました。

まずは貴了館へ。


ここは長艸(ながくさ)敏明さんという刺繍家のギャラリーなんですけれど、刺繍の世界ではすごく有名な方のようです。
なんでも美智子皇后のドレスに、すてきなデザインの刺繍をされているそうです。

お店の中には、源氏物語にちなんで、松・梅・桜・あやめ・ススキ・菊など12ヶ月の植物を施した刺繍が飾ってありました。

うっとりするくらい素敵でした。

ここで和菓子とお抹茶をいただいてゆったりとした気分を味わいました。

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お次は相国寺というお寺さんの中にある承天閣美術館へ。

とても素敵なところです。

お庭の緑もとてもきれい。

そこでは山口伊太郎さんという西陣織の第一人者の作品が飾られていました。

この方、織物の職人でもあり、作品のプロデューサーでもあり、芸術家でもあり、素晴らしい方です。

その方がなんと70歳になって、「これからは自分の好きなことをする」といって、源氏物語絵巻を西陣織にするという途方も無い計画を立てて、なんと105歳までがんばって完成させました。

信じられないですね。

織物というのは、縦糸と横糸を組み合わせて作るものですが、源氏物語絵巻のように繊細で優雅な世界を織物にしてしまうんですよ。
それも絵だけではなく、源氏物語の文章の部分まで織物にしたのです。

声も出ないくらい、圧倒されました。

そしてこの方の弟さんの山口安次郎さんという方も同じお仕事をされているのですけれど、やはり100歳を超えてもお元気で現役のようです。
素晴らしいことです。

山口伊太郎展はこちら



ここは相国寺のお隣にある同志社大学。

うーん、私がいつも行っている大学とは雲泥の差だわ。

新島襄が作った大学です。レンガが素敵でした。

さていよいよ今回のハイライトである京都文化博物館へ。


ここは以前は日本銀行京都支店だったところだそうで、とても風格があります。

さて入館しようと思ったのだけど、すごい人波。
世の中のおばさますべてが集結したのではないかと思うほど。
なんと入場するのに40分もかかるとか。
それで近くのカフェに避難しました。


さて気を取り直して博物館へ。
ここに展示してあるのは、平安時代から現代までの「源氏」と名のつくものはすべて集めたと思うほど。

絵巻、写本、世界各地から取り寄せたのでしょう。

千年という長い間、源氏物語が人々に親しまれ、研究され、大切にされてきた証をみたようなものでした。

それにしても昔の人の書く字というのはすばらしいものです。

絵のほうは時代によっていろいろでした。
江戸時代の絵巻も、大和和紀さんの「あさきゆめみし」の漫画もそれぞれに楽しめました。

いつの時代の人にとっても、源氏物語というのは夢を語れるものなのでしょうね。

4月には紫式部ゆかりの石山寺にも出かけたし、うーん、もう言うことはないわ~。

4 件のコメント:

  1. 匿名6/04/2008

    今日、お帰りですか?ステキな旅だったみたいですね。「源氏にどっぷり」とテーマを絞った旅は、としちゃんならではですよね。
    「貴了館」というところは、一見ギャラリーには見えないですね。写真を眺めていたら、行ってみたくなりました。

    そういえば、昨日の読売新聞夕刊の2面に、あのT動物公園のNさんが載っていましたよ。「「トキが舞う日7」という特集記事で、T動物公園で誕生したトキがテーマです。かなり大きい記事ですよ。写真を見て、「?エッ、Nさん?」って、ビックリ!

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  2. マサさん、この貴了館のある通りは、このような刺繍とか染物とか織物関係のすてきな工房がたくさん並んでいるところでした。ものを作り出す人というのは素敵ですよね。

    Nさんの写真が載っていたんですか。彼がトキを育てていたのかしら? 図書館で新聞を見てみますね。どうもお知らせありがとう。

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  3. 匿名6/05/2008

    山口伊太郎さんの錦織絵巻はもう言葉がでないくらいの驚きと感動でしたね。
    言葉で表現できないので一人でも多くの人にこの素晴らしさを実際に見て欲しいなぁと思います。
    あの縦糸と横糸をどのようにして・・・と私は考えるだけで卒倒しそう。
    信じられないくらい緻密な織物でしたね。

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  4. サトさん、ほーんと、あの織物の素晴らしさは言葉には表すことができないほどでしたね。歴史的な遺産になることでしょうね。

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