2008年9月27日土曜日

公開講座 その1


今日はしっかりお勉強をしてきましたよ。

はい、また源氏物語です。

今までの講演会などは、どちらかというとカルチャースクールっぽいお話が多かったけれど、今回は今までとは格段に内容が難しくて、まるで学会の発表を聞いている感じだったの。

源氏物語のストーリーや登場人物などは知っていて当然、内容を楽しむというよりも学術的な側面からの講演でした。
でも、源氏物語っていろいろな立場の研究があるのね、と納得。面白かったわよ。


この公開講座は実践女子大学の「源氏物語千年紀」記念講演会でした。

青山にある東京ウィメンズプラザまで行ってきたの。そう、こどもの城の隣にあります。

2つの講演がありました。

最初は横井孝教授という人の「源氏物語の100年」(1000年のミスじゃないのよ)と題して、明治以降、大正、昭和そして現在にいたるまでの源氏物語研究の歴史でした。

私は全然知らなかったのだけど、実践女子大学を創立した下田歌子先生というのは源氏物語の研究者でもあったそうで、立派な書籍を出していたの。

実は私の母は戦前、下田歌子先生の影響が強い頃、実践に通っていたので、下田歌子先生の話は小さい頃によく聞かされていたのよ。
宮中で天皇に講義をされたとか。
その後、林真理子さんの小説「ミカドの淑女」で下田歌子先生のことを詳しく知ったのだけど、そんなことで、この講義は勉強になりました。


横井教授の講演は、源氏物語の写本の研究でした。
写本にもいろいろあって「大沢本」「飯島本」「角屋本」と何種類もあるそうです。
展示会に行くと必ず展示してあるのだけれど、どこがどう違うのかよく分からないのよね。
その系統によって書かれた時代や内容も微妙に違うらしいわ。

横井教授が言うには、紫式部の書いたオリジナルの写本というのは、存在の可能性はほとんどなくて、せいぜい、彼女の生きた200年後ぐらいの写本が一番、古いということでした。


講演で面白かったのは、科学系の公開講座ではパワーポイントで説明するのは今では当たり前なんだけど、国文科の先生はパワーポイントのことを「電子紙芝居」とおっしゃったのよ。

その紙芝居、和紙の背景を使っていて、スライドの入れ替えもアニメーションを使ったりして、国文学が専門の先生もやはりIT時代にはパワーポイントも使いこなせないといけないみたいね。

横井教授が、最近、源氏物語の写本があちこちで発見されたという話題を説明するときに、朝日・読売・毎日・日経新聞の切り抜き記事をスライドで見せてくれたのよ。
私ももちろん新聞記事は見ていたけれど、だいたいが文化面に掲載されていて、誰でもが気づくという記事ではなかったでしょ。

ところが、教授が「京都新聞」の切り抜きを見せてくれた時は驚いたわ。だって一面トップでカラー写真付きなんですもの。
それだけ京都の人にとっては源氏物語も身近な存在なんだろうなと思いました。

源氏物語というのは、明治以降だけでもいろいろな学者がいろいろな研究をしていて、時代の流れによってもてはやされたり、下賤なものだと烙印を押されたりと、その変動も激しかったのだと思ったわ。

(その2に続く)

2 件のコメント:

  1. 匿名9/28/2008

    文化博物館での展示の時に沢山の写本がありましたね。
    どこかの大学の先生と学生が先生の説明を聞きながら見てました。
    私はチラッと横からきいていましたが今はもう覚えていないのよね(泣)

    各時代そうして受け継がれてきたからこそ今源氏物語千年紀がこうして各地で華やかに開催されているんですものね。
    でもとしちゃんの源氏にかける情熱は素晴らしい!尊敬します。

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  2. そうそう、京都文化博物館にもたくさん出展されていましたね。
    でも当時は印刷技術もなかったわけだから、正確に伝わるわけはないわよね。いろんな人が自分流に直したかもしれないしね。
    和紙は長持ちするけれど、今の紙がどれくらい保存されるか問題ね。これから1000年たったら、CDだってパソコンだってそんなものありもしないだろうし。

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