2008年11月4日火曜日

京都 嵯峨野


10月30日、京都在住のSさんの案内で嵯峨野の野々宮神社に行ってみたの。


この1年間、源氏物語にゆかりのある場所をあちこち訪ねてきたけれど、私の気持ちとしては、嵯峨野だけは秋まで残しておきたかったの。

というのも、野々宮神社というのは、伊勢の斎宮になる女性が、その前に身を清めるために行くところ。

斎宮になる娘の付き添いで野々宮神社へこもったのが、若き日の光源氏の年上の愛人である六条御息所です。

六条御息所は、前の東宮の未亡人で、当時の宮廷では美人で才女でお金持ちでとにかく有名だった人。
まだティーンエイジャーの光源氏がそんな彼女とつきあっているということは、お父さんである天皇もご存じの公然の秘密だったの。

彼女とのいきさつはいろいろあったけれど、源氏としては、彼女たち親子が、遥か遠い伊勢に行ってしまう前に、やはりけりをつけたかったのでしょう。

それでわざわざ嵯峨野まで訪ねて行って、別れ話をしようと思ったのでしょうね。

そういう別れのシーンとしての野々宮神社は、私としては、なんとなく秋に訪れたかったのよね。

でもでも、現実の野々宮神社には、修学旅行生や中国人観光客、白人の観光客がわんさと訪れていて、そういうしんみりとした気分には浸れなかったわ。

境内の絵馬には「どこどこ大学に入れますように」とか「だれだれさんと仲良くなれますように」とかいう望みがたくさん書かれていました。

完全に観光地になっているわね。

ということで、私も観光写真を撮りました。
黒い木の鳥居がここの特徴だそうよ。


お庭には近くの保津川(桂川)にかかっている渡月橋のミニチュア版がありました。


あまりの喧騒に圧倒されて、早々に引き揚げて、Sさんご推薦の大河内山荘に足を向けました。

ここはあまり人には教えたくないほど、期待以上に素晴らしいところだったのよ。

(続く)

6 件のコメント:

  1. 六条御息所といえば、オカルト的な生霊事件について、最近読売新聞に連載されていたコラムに、「生霊事件は、現代でいう乖離性障害。別人格が現れた状態ではないか」って、書いてあった。内面的に追いつめられると、理性の感知しないところで、事件を起こすとか。完璧な女性だからこその、追いつめられた感情の爆発だったのでしょうか。

    別れの場面をしみじみと味わうには、にぎやかすぎたのね。しみじみと味わいたい人だけ、訪れてほしいかなぁ~。

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  2. 昨夜もNHKで源氏物語絵巻のことをやっていたので見ました。
    今まで見られなかった変わった絵巻らしいです。源氏が隠れてました(笑)

    ここ野宮神社は人が多すぎです!!
    狭い所に人が来すぎね。
    でも本当に大河内山荘はよかったわね。
    気に入っていただいて嬉しいわ。

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  3. あれ?
    コメを書いたつもりが、何処にもない・・・・・

    主人の実家、浜松におりました。
    携帯で毎日拝見してたんですけど・・・

    義母と伊勢、その周辺に行って来たんです。
    野宮神社にまつわる話も仕入れて来ましたが、知識が半端なのでまたゆかねばなりません。

    姑との旅の記録、としちゃんさんなら、もっと詳しいことご存知かも!

    野宮神社、ロケーションは最高ですよね。
    でも去年上洛した時にはお祭りで入れませんでした。

    素敵なところですねぇ。
    来年ゆこうっと!!

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  4. マサさん、その解説、なるほどね~と思いますね。普段は理性的と言われる人ほど、心の中は熱いものが溢れているのかもしれないわね。源氏物語には他にも怨霊というのが登場します。大体はやきもち焼きの女性が乗り移るというのが多いみたいね。
    髭黒大将という人の奥方は、玉蔓を好きになってしまった旦那さんの衣装に、薫物に使った灰をぶちまけてしまうのよね。それで旦那さんは着物が台無しになったというシーンもありましたが、これも誰かが乗り移ったという描写でしたね。

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  5. さとさんも、かなり源氏物語に入れ込んできましたね~。

    源氏って朧月夜といちゃいちゃしていて、そこに彼女のお父さんが急に彼女の部屋に訪れたとき、変なところに隠れちゃったのよ。今の部屋で言うとどういうところかよく分からないのだけれど、でもそこから着物の袖が見えてしまって、ばれちゃったの。
    けっこうおバカさんなところもある人なんですね。
    野々宮神社の喧騒があったからこそ、大河内山荘の良さがよく感じられましたね。

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  6. 史子さん、お姑さんとご一緒に旅行ができたなんて、よかったわね。可愛いお嫁さんをしてきたのかな?
    伊勢神社に行ってたんですか。赤福は買いましたか?
    平安時代では、京都から伊勢までって大変な道のりだったことでしょうね。

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