2009年11月28日土曜日

見て分かることって・・・・

昨日は午後のお仕事はお休みにして、た○くりで行われた「市内・近隣大学公開講座」というのに行ってきたの。

私の住んでいる市の周囲には、なんと11もの大学があるんですって。そんなにたくさんの大学があるとは知らなかったわ。
その大学の先生たちが一般市民のために、分かりやすい講義をしてくれるというシリーズなのです。


今回の講師は、私が3月までいた研究室に4月から赴任していらっしゃったS先生で、「脳科学界の平井堅」と言われるほどかっこいい方なのです。とにかく話が面白い先生なので、どんな講義をされるのか、興味津津でした。

今回のテーマは「ロボットにはまねできない? 人間の視覚のしくみ」

人間の視覚のすごいところというのは

1.文字が読めること
2.顔が分かること
3.物を判別できること

なんですって。

そんなの当たり前じゃん、と思うけれど、もし機械だとしたら、手書きの文字を判読するのも大変だろうし、顔だって横顔になったら誰だか分からなくなるかもしれないし、物だって上下に置いたら分からなくなるかもしれないという程度だそうで、それを難なくクリアーしてしまう人間の眼や脳というのは、ものすごい能力なんだそうです。


そういうお話があって、その後にはいろんな錯視のモデルを見せてもらいました。

会場には定年退職者と思しきおじさま方が多かったのだけれど、こういうものをあまり見慣れていないせいか、「ほほー」とか「ふーむ」などという声が漏れていたわよ。

本来は動いていないものが動いているようにみえる絵とか、本来の色とは違った色に見えたりする画像とか、いくつかのパターンがありました。

錯視画を見た後で、S先生の解説がありました。

ここでその理由を端的に書くのは難しいのだけれど、そういう視覚の勘違いを、「細胞が疲れたからそう見えるのか」とか「あるいは人間の高度な識別作用なのか」ということをいろんな面から説明してくれました。
色のベクトルなんてことも教わっちゃったわ。ベクトルというのは、色を赤、青、緑の3要素の数で表すことなんですけれどね。
でも錯視というのは、脳科学者でもまだあまりよく分からないことが多いんですって。

*******

ここでその講義の中で、気になったことのご報告。

それは「ホワイトバランス」のこと。
人間の目の能力を説明するために、デジカメを例にとって説明してくれました。

写真を写すときに、私も少しはホワイトバランスを操作してみるのだけれど、でもちゃんと分からないでやっていたの。
納得がいったのは、ホワイトバランスというのは、昼の光、夜の光などの違いによって、本来の色とは違った色になってしまうのを、「本来の白になるように調節すること」ということでした。
私はなんとなく分かっていたような気がしていたのですが、これですっきりしました。
そうか、白がちゃんと白く写るように機械を操作すればいいわけのね。

それともう一つ、バードファンの方にもご報告。

鳥というのは(すべての鳥が当てはまるかどうかは分からないのだけれど)、人間の眼には見えない色(紫外線)が見えるんですって。つまり色を赤・青・緑の3要素ではなく、4要素で見ているそうなの。
どんなふうに見えるのかは鳥に聞いてみないと分からないけれど、そうやってみると、空を飛ぶ鳥を見るのも今までと違ったようになるかもね。


講義の最後には、視覚と脳のつながりというのを説明してくれましたけれど、とにかく複雑なの。ものが網膜に写ってから、それがものとして認識されるまで、実にいろんな経緯があるということです。
それを脳科学者たちは数式で表す研究をしているのだから、大変なものですよね。

私はマサさんちのチェリーちゃんのつぶらな瞳が見えなくなってしまったことを思い出し、何とか治らないのかしらと思いながら、視覚のお話を聞いていたのでした。

6 件のコメント:

  1. 史aya子11/29/2009

    ほほぅほほぅほほぅ

    ほほ~

    あの子たちには、人間には見えないものが見えているんですね。
    カラスは黄色が見えないと云うし、てっきりむしろ、色盲か色弱かと思っていました。
    目を細めずに、太陽の方に向かっている姿をよく見かけ、眩しくないのかと不思議に思っていました。
    そもそも目の造りが人間とは違うのでしょうね。
    鳥目と云う言葉は迷信だそうで、鳥は暗い所でも平気で飛んでいます。
    視力自体は人間より良いと経験から思っていましたが、識別能力も優れているのかも知れませんね。
    鳥を見る目がちょっと変わったかも!
    チェリーちゃん、マサさんのブログを覗き見して、とても心配しています。
    実家のミロも腎臓の病気をして、毎日点滴を受けに病院に通っているのです。
    ミロは命に関わることですから、むしろあと何年と云う諦めがついていますが、元気なチェリーちゃんには切ないことですよね。
    わんこは色弱だと、どこかで聞いたことがあります。
    これが本当で、チェリーちゃんの大きな負担にならなければ良いのに、と思っております。
    良くなるならそれに越したことはないけれど、わんこは賢いから、ご主人さまがいれば、不自由くらい乗り越えられると信じています。
    頑張って欲しいです。

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  2. 「鳥のことなら史子さんに聞け」、ですよね。
    史子さんの苦手なチョウも、人間には見えない色が見えるそうで、羽にある柄が分かるので、それでオスメスを判断しているんですってよ。
    わんこはグレーの世界だと聞いたことがあるんですがどうでしょうか。嗅覚や聴覚で視覚の不自由さを補っていると思いますけど。
    ミロちゃんも大変なのね。点滴を受けている間はおとなしくしているのかしら。

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  3. ほほう~
    私もほーと自然に言葉が出るわ(笑)
    興味深いことばかりです。
    ホワイトバランスは本に真っ白な船を例にとって解説していましたね、そういえば。
    又逆にホワイトバランスを使って自然ではない色を楽しむということも出来ますよね。
    としちゃんが詳しく解説してくれるのでよくわかって嬉しいです。
    ありがとう。

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  4. さとさんはよくホワイトバランスを調整されていましたよね。デジカメのような機械にはそういう装置が必要なんですよね。蛍光灯や自然光でいろいろテストしていたことを思い出しました。
    ほんと、知らないことって多いし、それを学べることって楽しいですよね。

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  5. この講義面白そうですね。

    ホワイトバランスの話まで出しての講義は興味ありますね。

    私はいつもホワイトバランスはオートで撮っていますが、いつも釈然としないところがあるのですよ。

    本来の色って何なんだろう?太陽の下で見る色と蛍光灯の下で見る色は違いますよね。

    写真を撮った時の光の下での色に感激して撮るのに、それを白を基準に真白に戻すわけですから、写真を撮った時とは違う色に撮れてしまうはずです。
    その方が自然に見えて、綺麗な写真と言う事ですからなんだか釈然としないのです。(笑)

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  6. 諏訪ッチさん、するどい指摘!
    そうなってくると、どれが一体本物の色なのか分からなくなってくるわね。なんだか哲学的な問題だわ。
    おまけにPCで見るときはモニターによって全然違うしね。
    自分ではピンクだと思っていても、他の条件下ではそれが紫かもしれないし、でも自分ではピンクのほうが好きだとすると、補正した紫は気に入らなくなってしまうかもしれないのよね。
    うーむ、先生に聞かないと分からないわ~。

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