また雷蔵祭の映画を見てきました。
今回の映画は雷蔵さんの遺作となった「博徒一代 血祭り不動」という作品で、1969年製作。たぶん、雷蔵さんが36歳の時の映画です。
この映画を製作しているとき、雷蔵さんは病に冒されていて、立ち回りも十分にできなかったそうですが、それでもやつれた様子は画面からは全然、感じられませんでした。
人によると、こんなやくざ映画が遺作となったのは本人には気の毒だという説もあるようですが、たしかに最後がばくち打ちの役とはちょっとかわいそうという気もしますけれど、でもやくざな役をしていても、「美しい」と思わせる雷蔵さんはさすが役者です。
最後のシーンは雪の中を着流し一枚、足袋も履かずに雪駄でさっそうと歩いて行くのですが、ああ、寒そうにと思いながら、雷蔵さんと雪景色はぴったりでした。前髪や着物の肩に白い雪がはらはらと落ちていくの。きれいでしたよ。
映画のストーリーはけっこう込み入っているのですが、北陸(新津)を舞台とした義理と人情に縛られて苦悩する任侠もの。
最初は、さいころを振って絵札のようなものを当てるシーン。
途中には組長の襲名披露のシーンもあり、ふーん、やくざさんというのはこういう儀式をするのね、と感心しながら見ていました。なかなか社会勉強にもなりますよ。
雷蔵さんの相手役にはあの近衛十四郎。そうそう、松方弘樹や目黒祐樹(でしたっけ?)のお父さんね。そっくりでしたよ。
彼は豪快さと艶っぽさが漂っていて、旅するやくざという役にぴったりでした。
それにしても今回も満席で、またまた立ち見でした。
面白い映画だから立っていても疲れはしないのだけれど、でもできたら座ってみている人と料金に差をつけてもらいたいな。
まぁ、立ち見ですか。お疲れさま~。
返信削除昔は立ち見もけっこうしたけど、最近の映画館は座席指定が多くて、立ち見って珍しくありません?
それにしても、雷蔵サマ、今思うとあまりに若すぎる死でしたね。
40年経っても、出演した映画が今もって上映されるのは、役者冥利に尽きるでしょう。
遺作が、たとえヤクザ映画であっても、彼が残したものは大きかったということですよね。
マサさん、昔は消防法などに対してうるさくなかったから、立ち見もできたのでしょうね。今はみんな座席指定ですものね。
返信削除でもここの立ち見も20人までと決まっていて、チケットにもちゃんと立ち見の順番がかいてあり、その番号順に入場するの。だからそれほどぎゅうぎゅう詰めでもありませんけどね。
37歳でお亡くなりになったなんて、ほんとうに惜しいわ。今生きていたら77歳ですよ。どんなに素敵なおじい様になっていたことでしょう。
私の周りには30代後半の男性というのはあまり多くいないようだけれど、今の30台の男性はもっと子供っぽいような気がしますね。