2011年2月19日土曜日

江戸時代の絵画

8回シリーズの「江戸絵画の展開」勉強会ですけれど、去年の11月からスタートしましたが、安土桃山時代の絵画から始まって、今日は18世紀の絵画となりました。

絵画という切り口で江戸時代にタイム・スリップしているような雰囲気もあるので、興味も深まります。

今回のテーマは江戸時代でも「円山四条派」と言われている京都を中心にした画家たちのお話でした。たくさんのスライドと、いつものことながら先生の熱のこもったお話で楽しんできました。

まずは円山応挙。
この人はもともとは丹波の国(今の亀岡市)の農家に生まれた人だそうで、肖像画を見ましたけれど、見るからに実直そうなおっさんという風貌の人でした。
描かれた絵も真面目で穏やか、静かで上品、まさに「これこそ日本」というような絵ばかりでしたね。


でもびっくりしたのは、デッサンのためでしょうけれど、男性や女性のヌードの絵でした。ローマやギリシャならいざ知らず、日本画の世界にもあんなにリアルに裸体を描いた人がいたのには驚きました。モデルになった人も偉いなと、変なところで感心してしまいました。

細かいところまでしっかりと写生されている画風で、うさぎもこんな感じ。ふわふわしたうさぎの毛が細かく描かれています。


円山応挙には1000人のお弟子さんがいたそうすが、みんなで分担して描いた大乗寺というところの襖絵は素晴らしいものでした。
こちらのデジタルミュージアムをご覧ください。お寺さんのHPとは思えないほど、豪華で凝っていますよ。

それに比べて長澤蘆雪という人はどこかユーモアのある絵を描いていました。
猿や虎の絵も現代のイラストレーターが描くような絵で、200年前の人が描いたものとは思えませんでした。


曽我蕭白という人は円山応挙にライバル心を抱いていたようで、若い時に親兄弟を亡くしたせいか、かなり孤独な世界に生きていたようで、美人図を見てもなんだかぞっとするような感じでした。


さて今、人気の伊藤若冲。

この人は京都の錦市場にある大きな青物問屋の息子として生まれ、生涯お金に困らずに絵を描いていた環境にいたそうです。
尾形光琳がやはりお金持ちのボンボンだったのと似た境遇ですね。
そして伊藤若冲は、宗教心もあったのか、相国寺に素晴らしい絵を奉納したそうで、中でも動植物を30幅も描いた絵は有名ですね。今では宮内庁に保存されているそうです。相国寺といえば、2008年にはここで源氏物語を織物にした展覧会を見てきましたが、ここは室町時代に足利義満によって建てられ、その後の歴史にもたびたび登場してくるお寺です。
鳥の羽根の細かいこと。気の遠くなるような細かい筆使いの絵ですけれど、若冲はお金持だったので、値段の高い絵の具で描いてあるそうです。赤とグリーンのハートが可愛いですね。


私にはちょっと苦手な鶏の絵。とさかや尾っぽが気持ち悪いほどリアルです。


こちらはタコの絵。下の方にはアマダイがいますね。この絵には他にもカサゴとかイトヨリとかいろんな魚が泳いでいましたよ。まるで魚貝図鑑のよう。


伊藤若冲は鮮やかでなおかつ構図に優れている絵をたくさん描き、当時としては長生きの85歳まで生きたそうです。

またロサンゼルスにあるプライスコレクション(プライスさんという実業家が集めたもの)にも鮮やかな葡萄図や紫陽花図などが保存されているそうです。

こちらはゾウの描かれている絵ですけれど、タイル画でした。


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この講座には毎回着物を着て行ったのですけれど、今日はあれこれ忙しくて洋服で行きました。
ちょっと残念だったわ。

でも明日は着物で表参道を大名行列です。雨だけは降ってほしくないわ。

2 件のコメント:

  1. 真蘭2/20/2011

    今日は何とか晴れてよかったですね。
    表参道を着物で練り歩くのね。
    見に行きたいけど、確定申告の最中で、
    動けません。無粋でしょ!

    返信削除
  2. 真蘭さん、私も額はまるで少ないんですけれど、確定申告しなきゃならないの。
    今日はなんとか雨は降らないですんだのでよかったわ。風もなくて助かりました。

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