2011年9月12日月曜日

「雷桜」

宇江佐真理さんの「雷桜」を読んでいるとことです。
すっかりウエザ・ワールドの魅力に取りつかれています。


雷桜というのは、下半分が銀杏の木で、その上に桜の花が咲いている木のことだそうです。

その雷桜は江戸から少し離れたある藩の山の中に生えていました。

どうして「雷桜」かというと、それは激しい雷が銀杏の木に落ちて、その木は半分に崩れ落ちてしまったのですが、そこにどこからか桜の種が飛んで来て、そして桜が咲いたからだそうです。

この小説は相模の国あたりのお話なのですが、江戸の下町人情を書くのがお得意の宇江佐さんにしては珍しくお話の舞台が地方で、異色の小説です。

その相模の国で、雷の日にある庄屋さんのお嬢さんである1歳のお嬢さんが急にいなくなり、天狗にさらわれたのではないかと思っていたところ、十数年たった時、山の中で「オオカミ少女」のようになって成長していたのでした。

この少女と彼女のお兄さん、そしてそのお兄さんが仕えるある藩の若殿さまとのお話です。

意外な展開が面白いと思って読んでいたのですが、なんとこれは昨年、映画化されたそうなのです。


少女役は蒼井優さん、若殿が岡田何とかというジャニーズ系のタレントだったそうで、全然知らなかったわ。

蒼井優さんという人はすごく演技が上手な女優さんだと思いますが、このオオカミ少女を演じるにはちょっと線が細いのじゃないかしら。

宇江佐さんはご自分の小説が映画化されて、どんな感想を持ったのか気になりますね。

それにしても江戸の人情話だけでなく、こういうきちっとした小説も書いてしまう宇江佐さんってほんとにすごい人だわ。

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