2013年5月26日日曜日

「幸之助と伝統工芸」

「幸之助と伝統工芸」▼という展覧会が汐留のパナソニックミュージアムでありました。


今回も招待券で入場してきました。

「幸之助」はもちろん松下幸之助のことですが、「経営の神様」と呼ばれ、電気屋さんであった幸之助さんと工芸というのがどうも結びつきませんでした。
でも展覧会を見て、ああそういうことだったのかと目からうろこが落ちたような気持ちになりました。

それは幸之助さんがインタビューに答える場面があったのですが、
「電気製品というのは大量生産しているが、その一つ一つが工芸品のようでなくてはならんわな」という大阪弁で答えているのです。
(この音声もイヤホンで聞けるようになっています。)

そいういう気持ちがあったからでしょう、幸之助さんは茶道に親しみ、京都に「真々茶室」という茶室まで建ててしまったほどなのでした。

茶の道具やお皿や壷などの工芸品はもちろんのこと、染色や織物にも特別な目をもっていたようで、森口邦彦、志村ふくみ、北村武資 (すべて人間国宝)のような有名な作家の着物も収集していました。着物は奥さまのために誂えたのかしらなんて思ってしまいました。

何事にもその道に秀でた方は、伝統工芸の分野でも道を極めていたのですね。
そして「日本工芸会」というところの理事長まで務められたのでした。

幸之助さんと伝統文化の関わり合いがよくわかりました。

この展覧会に入場すると、喫茶コーナーでは400円の飲み物が半額の200円で飲めるというサービスがありましたが、のどが渇いているときには嬉しいサービスですね。


でも展示場にルオーの絵のコーナーがあったのですが、これはちょっと雰囲気に合わないと思いました。
これも幸之助さんのコレクションなのでしょうけれど、そこの部分だけ浮いていましたね。

ちなみにこの展示会は汐留ミュージアム開館10周年記念として8月5日まで開かれています。

それにしても今はもう「松下電器」とか「ナショナル」とうブランドはないのですね。
ちょっとさびしい気持ちになります。
私にとってナショナルといえば、テレビの「ズバリ当てましょう」のイメージが強いのです。あの頃が松下電器の絶世期だったのでしょうか。

汐留ミュージアムのお隣には、昔の新橋駅の建物が残っていました。
1872年開業当時の駅舎を再現したものだそうです。
「旧新橋停車場」▼として鉄道の歴史展示室が公開されています。

時代は移ろいゆくものなのですね。


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