いよいよ市民カレッジ10月開講の講座がスタートしました。
今回は「日本の染織文化」です。
これから来年まで8回に渡って受講します。
講師は、東京芸大美術研究科を修了されて、その後、東京国立博物館に20年勤務、現在は共立女子大学で教授をされている長崎巌先生です。
初回はまず「歴史とは何か」という基本的なところから入りました。
歴史というのは、大昔から現代まで直線的につながっているものではなく、ところどころブツブツと切れているものであること、またある一定の停滞段階を経て、あるとき急に結果が出て、そしてそれがまた継続する、というように階段的に発展するものであるということをお話されました。
そして人間がサルから進歩した後に起こった出来事を説明してくれました。
サルと人間との大きな違いは、直立歩行とそれに伴って手を使えるようになったこと、そして脳が大きくなったことです。
サルから人間への変化は、それまで毛皮に覆われていた皮膚がむき出しになり、寒さを感じるようになったり、皮膚が傷つきやすくなったということもありました。
そして人間は生命の保持のために、動物の毛皮を身にまとうようになりました。
ところが毛皮(死んだ動物から剥いだもの)というのはいつもいつもあるわけではないので、人間は、蔓などを見つけて、それを身にまとうようになったそうです。
ただし蔓というのは太くて身体にはフィットしないので、それをだんだん細く引き裂いて、それを編みあげて、身体にフィットする柔らかいものを作るようになったそうです。
つまり人間の衣服の始まりは「あみもの」であったというお話でした。
その後、もっと大量に作るためには「くみもの」をするようになりました。
くみものというのは、簡単な器具を使った組紐のようなものだそうです。
そして、機械を利用するようになって、初めて「おりもの」になったということでした。
つまりごく初期の衣服は、「あみもの」→「くみもの」→「おりもの」というように発展していったそうです。
その後は人間の集団生活において、敵と味方を区別するために、集団内では同じ色のものを着るようになり、また身分や階級によって色や模様が発達していったという訳です。
またごく一部の高貴な人は、十二単や裄の長い装束を着ていましたが、これはそういうものを着ると動けなくなる、つまり自分では何もできない、人の助けが必要である、ということで、身分が高いということの象徴であったそうです。
染織の講座でしたが、かなりアカデミックな歴史の授業のようでした。
こういった人間の発生から衣服の発生までを、先生は120分間、休憩もなくお話されました。
大学の先生ってほんとにお話が好きですよね。何時間でも続きそうでした。
聞いているほうとしては、少しは休憩時間や自分で考える時間がほしいのですが。
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この日の装い。
受講生は30人くらい(うち男性が1名)いましたが、着物で来ていた人は私しかいませんでした。
せっかくの染織のセミナーなのにね。
青い紬の単衣(たんすやさんの半額バーゲン品)
木綿の青海波模様の帯(新宿福服で2500円也)
ポイントは、初めから飾りが止め付けてある帯締めです。
これだと飾りの部分がお腹の周りをぐるぐると動かないので、安心できます。
先日、名古屋の大須に行った時、BERR工房さんでのお土産です。
(この項は断続的に続きます)
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