明治村では建物の中でいろいろな体験ができるのですが、一番面白かったのが、大阪にあった「呉服座(くれはざ)」という芝居小屋ツアーでした。
ガイドさんが芝居小屋の説明をして、その後に、みんなで奈落の底まで見学をするというのです。
ここは昔は歌舞伎が上演されていて、その後は映画館として利用されていたそうです。
学校の体育館を少し大きくしたくらいの広さの建物でしたが、あちこちに芝居用の工夫がたくさんありました。
まずはガイドさんの説明を聞きます。
ちょうどこの回のツアーは地元の小学生たちと一緒でした。
社会科見学だったのかな。
ここは枡席といって、このひと枡に4人が座ったそうですが、現代人の体格だとかなりきちきち状態ですね。右側にある太い柱の上を歩いて席まで行きます。
舞台に上がってみたところ。
勧進帳の場面ですが、子どもたちはあまり見慣れない役者の姿にきょとんとしていました。
さていよいよ、奈落の底ツアーです。
現在は照明が点灯していますが、当時はランプや蝋燭くらいしかなかったでしょうね。
とにかく天井が低いので、大柄な人は頭をぶつけてしまいます。
舞台を回転させるのも、セリを上げるのもすべて人力でやっていました。
長い棒をかついで、上から聞こえる役者さんの声や足音に合わせて動かしていたそうです。
狭くて暑くてほんとに大変な場所なので、「奈落の底」と呼ばれていたそうです。
花道の説明をしているところです。
ここを通るのは気持ちが良かったですよ。
右側が桟敷席です。
呉服座では、子どもたちの素直な驚きがじかに伝わってきて、楽しいひとときが過ごせました。
彼らが大きくなったときに、歌舞伎ファンになるかもしれませんね。
(この項、続きます)
「奈落の底」の見学とは、貴重な体験をしましたね。
返信削除去年でしたっけ?、市川染五郎が公演中に「奈落の底」に落ちて、ニュースになりましたよね。
あのとき、「奈落の底」とはこのことを言うのだと、初めて知りました。真の意味を知らずに使っていたわ。
そうね、染五郎さんも奈落に転落しましたね。まっさかさまに落ちたらたまりませんね。
返信削除昔から歌舞伎ではいろんな工夫をしてお客さんを楽しませていましたが、裏方さんはほんとに大変な思いをして支えていたのだと思いますね。