平岩弓枝の「御宿かわせみ」シリーズや宇江佐真理のシリーズが好きな私ですが、そういう江戸時代の小説によく登場するのが「向島の別荘」。
向島というのは、「隅田川の向こう側」という意味かもしれませんが、江戸時代には大商人がここに風流な別宅を建てていました。
これは今でいう別荘とは違い、二号さんなどを住まわせておいたり、本妻さんなどが病気の静養の時に使っていたようです。
さてその向島にある向島百花園▼ですが、もともとは文化・文政の時代に骨董商を営んでいた佐藤鞠塢(きくう)という人が、草花の鑑賞を中心とした花園を開いたのが始まりだそうです。
開園当時はお庭は梅が主体だったそうですが、その後、万葉集や古典にあるような四季折々の花が咲くお庭になったそうです。
園内には数々のお花はもちろんのこと、たくさんの石碑、福寿尊堂、あずまや、御成座敷などがあり、江戸時代の風景などが残されています。
こちらの門を入ります。
なんとなく風流な気分になりますね。
ちょっと一息のための場所。
お茶とお団子があるといいですね。
あちこちに俳句がありました。
こちらは先月開かれた「月見の会」で作られたものでしょうか?
「名月に 胸の奥まで 見透かさる」
こんなふうにさらさらと文字を書き、絵が描けたらいいですね。
園内で見つかった木の実たち。
秋の風情がたっぷりです。
ひょうたんの棚もありました。
こちらは「カシワ」の木。
この大きな葉っぱで柏餅を包むのですね。
向島百花園は、浮世絵にも多く登場していました。
広重や北斎もここを舞台とした浮世絵を描いていました。
ここには多くの文人墨客が訪れていて、芭蕉、蜀山人、そのほか多くの詩人や俳人の石碑が立っていました。全部で29の石碑があるそうです。
現代の東京の象徴であるスカイツリーがすぐ近くに見えます。
江戸時代の人がこの高いタワーを見たら、どんな句を詠んだのだろうと思いました。
百花園といいながら、お花の紹介がまだでした。
次回は、園内のお花をご紹介しようと思います。
(この項、続きます)
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