彼女の回復を待ってから、と思ったのですが、この展覧会は期間が短いため都合がつかず、一人で鑑賞させてもらいました。
高島屋まで出かけた日は、めちゃめちゃに快晴のお天気でした。
大正ロマンを代表する画家・竹久夢二生誕130年を記念した展覧会でした。
会場には、おばさま族がたくさん押し寄せていました。
なんとなく、どなたもうっとりとした表情をされていました。
夢二の描く絵は、哀愁を含んだ憂いのある美人画ですが、きっと見ている人にも「自分もこうだったらいいな」と思わせる何かを醸し出しているせいかもしれませんね。
夢二の描く絵は、哀愁を含んだ憂いのある美人画ですが、きっと見ている人にも「自分もこうだったらいいな」と思わせる何かを醸し出しているせいかもしれませんね。
前に吉祥寺美術館で加藤まさをの乙女デザイン展▼を見た時にも、夢二の作品がいくつか出ていましたが、今回は200点くらいありました。
また今回の展覧会の特徴は、同じ時代を生きたパリの画家ロートレックとの共通点を見つけて、東西の「ベル・エポック(良き時代)」という作品を、取り混ぜて展示してあったことでしょう。
夢二は岡山県で生まれました。
彼の生涯で一番驚いたのは、なんと早稲田実業で学んでいたということです。
10代の終わりごろから彼は絵の才能を発揮するのですが、ちゃんとした美術学校を出ていないというのが彼のコンプレックスだったようですが、美大での枠にはまらない才能があったのでしょうね。
以前、彼の女性関係を描いた小説(誰の作品だったか忘れてしまいましたが)を読んだとき、彼はかなりの女たらしのように描かれていましたが、今回の展覧会を見ると、その時々に付き合った奥さんや恋人などをモデルにして素晴らしい絵を描いていたので、芸術家に道徳観を求めても仕方ないのではと思いました。
彼は大正時代に数多くの作品を生み出し、新しい商売(黒船屋のプロデュース)も手掛けるのですが、関東大震災やヨーロッパへの苦難の旅を経て、昭和9年に50歳という若さで亡くなってしまうのです。
その間に描いた膨大な作品の数々。
現代風にいうとイラストというのか、挿絵というのか、本の表紙というのか、さまざまなジャンルの絵を描いていました。
お土産に買ってきた絵葉書です。
私の夢二のイメージだった縦じまの着物姿の女性。
大きな黒猫を抱えていますが、他にも猫の絵はたくさんありました。
「立田姫」という女性の絵。
彼の理想の女性像だそうですが、最初に見たときは、お顔がどちらを向いて言うのかわからず、よく見たらこれは背中の絵だったのですね。
「黒船屋」で売り出した千代紙。
とてもモダンで今でも通用するものでしょう。
彼のデザインした黒い帯がとてもすてきでしたが、絵葉書にはなかったので、似たようなタッチの小風呂敷を買ってきました。黒に椿がとても素敵です。
これには「夢二」というサインが入っていましたが、「夢路」という署名入りのものもありました。
昔の人はあまり名前に頓着しなかったのか、いろいろと使い分けていたのか分かりませんが、
「夢二」のほうが似合っているかな。
会場には、彼の描いた絵から創作した京都・千總の着物と帯が3種類、展示してありましたが、何回も手直しをして作ったものだそうで、さすがにぐっと重みがありましたね。
彼の描いた着物の女性は、胴がきゅっとくびれていて、そこに帯が食い込んでいるような感じでした。今でいう「補正」などまるでしていません。自然な体型そのものでした。そして細い柳腰。
私には夢二の描いた女性像にははるか遠い体型なのですが、やはり柳腰の女性には憧れますね。
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この日の装い。
私にとって、夢二の描く女性のイメージは、縦じまの着物でした。
それでこちらの単衣を着て行きたいと思っていたのです。
(これは9月20日に着用したときの写真です。)
しかし、この日はなんと気温が30度もあるというので、袷や単衣を着て汗まみれになるよりも、夏の着物でもいいわよね、という気分になりました。
あまり透け感のない絽の着物です。
10月になっても夏着物なんてと顰蹙を買いそうですが、暑くて倒れるよりはよいでしょう。
帯周りのあたりだけは、ベージュというかミルク抹茶のような色合いにして、秋のモードに。
帯周りのあたりだけは、ベージュというかミルク抹茶のような色合いにして、秋のモードに。
招待券をいただいたYさん、どうもありがとうございました。
お先に楽しんできましたよ。
体調が良くなりますように。
今回は本当にごめんなさい。
返信削除ようやく熱も下がったようです。
楽しんでいただけたら良かったのですが、込んでいたみたいですね。
「黒船屋」は伊香保の夢二記念館で毎年9月の2週間だけ
公開されているので(完全予約制!)一度観に行きたいと思っていますが、
未だ実現していません。
よーでるさん、お熱下がったようでよかったですね。展覧会、楽しかったですよ。夢二さんの生涯に興味が湧いてきたので、図書館で夢二関係の本を借りてきました。
返信削除伊香保からもだいぶ出展があったようです。
2週間だけ公開というのは、ちょいと厳しいですが、機会があるといいですね。