今月の出し物は「通し狂言 東海道四谷怪談」です。
通し狂言というのは、お話の一部だけでなく、全部を演じるので、かなり長時間に渡るものです。
普通の歌舞伎公演は、昼の部と夜の部に分かれているのですが、今回は12時からの部(2日ほど例外がありましたが)だけでした。
私は他の劇場で見るときは別ですが、国立劇場の時はいつも3階席にしています。
ここは傾斜があるので、3階でもとてもよく見えて、おまけに安いのでお得です。
今回は休憩も含むと5時間ほど劇場にいましたが、それが2600円でしたので、とても割安でした。
「四谷怪談」のお話は、顔が変わってしまったお岩さんが出てくるお芝居で、有名ですね。
ところがこの四谷怪談というのは、忠臣蔵の裏バージョンというか、忠臣蔵のお話が背景となっているのです。
それで討ち入りをした12月にちなんで、あえて幽霊話を冬に演じるのだそうです。
イヤホンガイドでも説明していましたが、お岩さんを演じるときは、役者さんはかならず「於岩神社」にお参りをして、祟りが起こらないようにするそうです。
詳細は、以前、四谷にある於岩神社にお参りした時のブログ▼をご覧ください。
お岩さんは市川染五郎。
彼はほかにも鶴屋南北(原作者)役や、大星由良之役など5役も演じていて、その早変わりの素晴らしかったこと。
お岩さんの夫である民谷伊右衛門は松本幸四郎。
こちらの写真は開幕前ですが、すぐに満席になりました。
お話はかなり入り組んでいたのですが、さまざまな演出で楽しめました。
例えば「戸板返し」といって、板に張り付けられた人物が、ぐるっと回すと他の人になっていたり、「仏壇返し」といって、仏壇の中に人を引き入れてしまうもの、提灯から人が登場する「提灯抜け」などが見られて、怖いお話ではありましたが、とても楽しいシーンがたくさんありました。
私が一番良かったと思ったのは、最後に雪が降りしきる中、忠臣蔵の志士となった中村隼人くんが雪合戦さながらのチャンバラシーンでした。真っ白な雪を投げながらの殺陣は素敵でしたよ。
一番嫌だったのは、近くにいたおっさんでした。
大向こうを気取って、「○○屋~」と声をかけるのですが、これが全然間が合っていないし、声も美しくなくて、ただうるさいだけでした。
こういう人がいると、役者さんもやりにくいのではないでしょうか。
困ったチャンでした。
そいうえば、2010年にも四谷怪談を見ていたことを思い出しました。
この時は演舞場で見ていました。
その時のブログはこちら▼。
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この日の装い。
怖いお話のときには、どんな着物を着たらよいのか迷いましたが、反対に明るい紅型にしました。
骨董市で買ったものです。
帯はトーキョージョーさんから「ちょっとしたお出かけの時にぴったり」と言われて買った袋帯です。これがかなり長くて、締めるのに苦労しました。
劇場に、とても素敵な黒い着物の方がいらっしゃいました。
怪談にぴったりの雰囲気で、私も黒い着物にしたらよかったな、とちょいと後悔しました。
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