それでも1年のうち半分くらいは着物を着ているので、着物姿について、少し気になることを述べても良いかしら。
というのは、着物を着ている人でも、「ほんとうに好きで着ている」人や、「良く似合っているものを着ている」人の割合は、少ないのではないかと感じることがあるからです。
(こちらのアジサイは、無料写真から拝借しました。)
先日も、歌舞伎鑑賞に行ったとき、会場には多くの着物姿の女性がいました。
その中のかなりの割合の方は、個人で参加しているのではなく、呉服屋さん主催の歌舞伎鑑賞会のお客さん、ということでいらっしゃっている人たちでした。
ぞろぞろと同じような着物で歩いているので、そういう団体はすぐに分かりました。
みなさん、淡い色の訪問着や付け下げなどで、高級そうな帯を締めていました。
ところが、せっかく高価な着物をお召なのに、まるでその人の存在感が感じられませんでした。
呉服屋さんに言われた通りの着物を着ている、という感じがしました。
義務感で着ているように見えてしまいました。
たぶん、このような方たちは年に1回か2回くらいしか着ないのではないかと思いました。
そして大事なのは姿勢だと思うのですが、かなりの方が背中が丸くて、魅力的な着姿とは思えませんでした。
そのような団体の方に比べて、私が参加させていただいたグループの方は、紫の着物、水色の着物、薄い茶色の着物、と色もさまざま、そして素材もすべて異なっていて、みなさんとてもよくお似合いでした。
ご自分で選んだというのがよく分かる着物姿でした。
着物を着るのを楽しんでいるという雰囲気が伝わってきました。
そして何よりも素敵だったのは、最後に挨拶された女優さんの着物姿でした。
真っ黒な地に、白い花の刺繍がぎっしりと施されていて、それは見事なお着物で、また帯も銀糸がふんだんに使われた豪華なものでした。
そして堂々とした立ち振る舞いは、周囲を圧巻されていました。
絶対に普通の人では着こなせない組み合わせでしたが、その着姿で私たちの目を楽しませてくれました。
その存在感はずっと忘れられません。
ご自分を着飾るだけでなく、周囲の人を楽しませる、というのが女優さんであることの条件なのかもしれませんね。
私はそういう豪華な着物を着ることはできませんが、着物を着るときは、自分が楽しめて、そして相手の方にも良い気分を与えるような着物姿になれるよう、少しは頭と体を使いたいと思っています。
頭を使うというのは、着物や帯などの組み合わせ、
身体を使うというのは、良い姿勢を保つことです。
呉服屋さんツアーの方も、まずは着ることを楽しんで、そして颯爽と歩かれたら、もっと素敵な着物姿に見えるのでは、と思いました。
新米がエラソーなことを書いてしまいましたが、せっかく着物を着るなら、楽しんで着たいですよね。
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