2017年3月20日月曜日

ワガママな注文

前にも何回か書いていますが、私が子供の頃はモノがなかったせいもあって、着るものはすべて母の手作りでした。
母は、父の古いワイシャツを作り直して、私たち娘のブラウスやスリップ、パンツまで作っていました。
そして中学の制服(標準服)も、結婚式のドレスも、すべて母の手作りでした。

制作途中では、母にはずいぶんと細かいところまであれこれと注文を出していました。
「ここはもっと長く」とか「ここはもっと細く」とかうるさく言って、母はそのたびに何回も作り直してくれました。

初めて既製品なるものを着たのは、中学に入ってからのことで、たしかブラウスだったと思うのですが、手を通してみて、「なんでこんなに着にくいのだろう?」と思いました。
つまり母が作っていた服は私の身体にとてもフィットしていたので、既製品ではその感覚は得られなかったのです。

とはいえ、だんだん大人になると、母の作ったものはダサいと感じるようになり、しかたなくサイズの合わない既製品を着るようになりました。


その後、年を経て、私は着物を着るようになりました。

最初のうちは寸法のことはあまり分からなかったので、丈と裄があえばそれでよしとしていたのですが、だんだんと細部が気になるようになりました。
肩幅と袖巾の具合とか、前幅と後ろ幅のつりあいとか、着物だけではなく、帯の長さや幅も気になるようになりました。
そして寸法が合わないものを着るのは嫌になり、簡単なお直しなら自分でして、仕立ての場合は細かく注文をするようになりました。

つまり私は子供の頃の体験が身に染みていて、かなり「ワガママな注文」を出す人なのです。
と言っても、そのような要望を出すことにより、気持ちよく着られるのなら、注文をしたほうが良いと思います。

そして、それに応えてくれるお店とは、ずっとご縁を持ちたいと思うのです。

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昨日は、地元の深大寺にあるステキなギャラリーで、リメイクした着物や小物の展示販売会がありました。


その時、気に入ったビーズの羽織紐があったのですが、どうも私の身体には長すぎると思いました。
どうしようかなと思っていると、制作者の方が、短く直してくださるとのこと。
どの色のビーズを抜き取って、どのくらいの長さにしようかという相談もできました。
また金具も交換可能とのことでした。
ワガママな注文を叶えてくれるのは、嬉しいですよね。

そのように応じていただいたのは、こちらの「きものいろは」さん。
着付けのお仕事もされていらっしゃるのですが、バッグや小物やビーズ製品も作っていらっしゃいます。
今回は革を使ったバッグなどを出品されていました。

そしてみなさんに見ていただきたいのが、いろはさんのお姿です。


なんと、見事に革づくしでした。
帯も、帯締めも、髪飾りもすべて革。
とても素敵でした。
革でも、しなやかでとても使いやすいそうです。


後ろに見えるバッグも、いろはさんの製品です。
制作される方がご自身の作品を身につけている、というのはとても良いですよね。

いろはさんは、色使いのセンスがとても良くて、私も真似をしてみたいと思いました。


バッグの制作についても、大きさや形、内側のクロスの色、ファスナーなどもすべて相談のうえ、希望に沿うようにして下さるそうです。
使用する布の持ち込みもOKというのも、いいですね。

ワガママな注文を聞いて下さるのは、大変、ありがたいことです。
そして素敵な世界を共有できるというのは、嬉しいですね。


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