最近読んだ本を、ちょっとまとめてみました。
「日本博物館事始め」 西川ガラシャ著
この著者の本を読んだのは初めてです。
明治維新の頃、上野に博物館を建てようとしたのは、鹿児島藩主だったという話。
大久保利通、島津久光、岩倉具視などの実在の人物も登場します。
町田久成という人が主人公です。
一生懸命書いたのでしょうが、悪いけれど、あまり感動は伝わってきませんでした。
「雪つもりし朝」植松三十里著
昭和年の2.26事件とその後の太平洋戦争などに関わった人たちの運命を、それぞれ短編にして描いたもの。
なんと秩父宮殿下から、麻生太郎のお母さんまで登場しています。
膨大な資料と調査を元にして書かれたものだろうと思います。
植松さんの著書はほとんど読んでいますが、これは力作だと思います。
もう一度読んでみたいと思いました。
私の母は、この事件が起こった当時は、渋谷の実践に通う女子学生でした。
「雪のすごく降った日に、大きな事件があった」と話していたことがありました。
つまりこの事件は、大昔の話ではなく、まだリアルな話なのです。
2.26と太平洋戦争がどのような繋がりがあるのか、よく分かりませんでしたが、歴史は繋がっているものなのだと感じました。
「夢将軍頼朝」三田誠広著
鎌倉時代を築いた源頼朝の、幼少のころから亡くなるまでの話。
頼朝という人は義経に比べると人気がなく、なんとなく陰気な感じがするのですが、それも彼の生い立ちを知れば仕方なかったのか、という気もします。
京都生まれで、女官たちに囲まれた生活をして、笛を吹くのが趣味だった人が、ある日、急に関東に流されてきてしまったのですからね。
武士の棟梁とか持ち上げられても、実際は刀を使うことも馬に乗るのも下手な人でした。
本の中には、いろいろな人たちがたくさん登場します。
その中で、西行のかっこよさは際立っていますね。
精神的にはもちろんのこと、69歳になっても、流鏑馬をみごとにやってしまうとは、物語とは分かっていても、ほれぼれします。
それと政子夫人が悪女過ぎて、ちょいと可哀想。
昔、歴史の時間に「いいくに(1192年)作ろう鎌倉幕府」などと言って単に年号を覚えたことがありますが、その裏にはいろいろな出来事があり、多くの戦いがあったということを忘れてはいけませんね。
「赤い崖の女」 山崎洋子著
サブタイトルが「横浜開港絵巻」とあるように、幕末から明治にかけて、横浜に外国人がやって来るようになったころのラシャメン(異人さんを相手にする女郎)のお話。
文句なしに面白い。
というか、さすが山崎さんの筆力(?)は違うな、とうならせます。
歴史的事実と、著者が生み出したヒロインの組み合わせがうまいですね。
ただし、ヒロインの性格がある悲惨な出来事によって急変してしまうのですが、それまでの可憐な女の子とその後の急変ぶりにちょっと違和感を感じてしまいました。
実は先月、横浜に出かけたので、その関連で読んでみました。
横浜の大通りができた事情や、「関内」という名前の由来なども描かれていて、興味深く読みました。
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こうやって眺めてみると、時代小説ばかりですね。
実際に起きた歴史的事件と、その頃に生きていた人物を組み合わせたお話が好きです。
どうも現代を生きる人たちの小説はあまり趣味ではありません。
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