ひょんなことから、秋から「源氏物語を原書で読む会」というグループに参加させていただくことになりました。
実は源氏物語を原書で読んだのは、高校の古典の授業で「雨夜の品定め」のところと、大学の教養課程で「宇治十帖」を読んだだけ。
ということで古文を読むなんて、およそ半世紀ぶりくらいでしょうか。
なんと無謀なことを、と我ながら苦笑いしていますが、それでも源氏物語については、「源氏千年」の2008年にはかなり夢中になっていたものでした。
2008年の大みそかのブログ▼は、源氏物語特集でしたね。
その年には、現代語訳では10人以上の方の源氏物語を読みました。
田辺聖子、与謝野晶子、瀬戸内晴美、円地文子、谷崎潤一郎、橋本治、清水義範、、、。
また関連する美術展などの展示会も15か所以上行きましたし、京都を始め各地の講演会にも出かけました。
それでも10年も経つと、かなりおぼろげになってしまったのですが、今さら54帖を読み返すわけにはいかないので、ちょっとつまみ食いをしてみました。
「逢瀬で読む源氏物語」
池田和臣さんという方の新書です。
物語の中のややこしい話はカットして、光源氏や薫や匂宮が女性たちと出会う場面ばかりを抜き出して説明しているものです。
とはいえ、著者の紫式部は、男女のいわゆる性関係は何も描いていません。
たとえば父親かわりだと思っていた紫の上が、光源氏と初めて関係した時も、「翌朝は、紫の上はなかなか起きてこなかった」と書くだけで、読み手は「そうか、ふたりはそういう関係になったのか」と推測するわけです。
ですから「逢瀬」というタイトルですが、露骨なことを期待してはいけません。
著者は、逢瀬から、それぞれの女性の置かれている立場や生き方を説いています。
目次を簡単に紹介しておきます。
第1章 光源氏の運命を左右する女君たち
(葵の上、藤壷、六条御息所、朧月夜、紫の上、明石の君、女三の宮)
第2章 男君の執念(愛執の罪:柏木と女三の宮、夕霧と落葉の宮)
第3章 性を拒否する女君(薫と大君、薫と浮舟と匂宮)
ということで、「逢瀬」を通して、源氏物語のあらすじをざっと復習してみたのでした。
この本を読んだだけでは、原書読解の役には立たないかもしれませんが、半世紀ぶりに古文を読んでみようかと思っております。
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