2017年9月22日金曜日

脳の世紀シンポジウム2 「脳を知る」

「第25回 脳の世紀シンポジウム」のレポート2回目です。


さて、染色家でもあり、染織の歴史に詳しい吉岡先生のお話▼を聞いた後は、専門家の話になりました。

まずは、大阪大学大学院生命機能研究科教授の藤田一郎先生の登場でした。
タイトルは「色ときらめきにあふれる3D世界と私たちの脳」

ところが、私はこのところ物忘れの度合いがひどくて、一週間前に聞いたシンポジウムの内容も、もろくも忘れ去ろうとしています。

それでも、講師の先生のシャツの色が、ベージュ色で、焦げ茶色の幾何学模様だったということは、まだしっかりと脳裏に焼き付いています。

それくらい「色」というのは、インパクトがある事柄なのでしょうね。

以前、やはり脳科学の話を聞いたとき、
【「赤い」色の「車」が「走っている」】
という事実を目の前にした時、ほとんどの人は、まず「赤」という色を思い出して、その次に「そうか、あれは車だったね」という事柄を思い、最後に「走る」という動作を思い浮かべる、という話がありました。

私が藤田先生のシャツの色だけは忘れずにいた、というのも当然のことかと、無理やり自分をごまかしています。

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藤田先生のお話は広範囲に渡り、面白い内容でした。
しかし専門的な用語も多く、スピードが早くて、ゆっくりと考えていると次の話になってしまい、理解できたかどうかは自信がありません。
その中で、一番インパクトのあったことは、こういうことでした。

それは「モノには本来は色はない」ということ。

でも世の中には赤やら黄色やら緑、ピンク、などいろいろな色が氾濫していますね。
それは、
◆光と
◆見るということを処理する脳と
◆分光反射率の違い
があるからこそ、いろいろな色に見える、ということでした。

何となく哲学的ですね。
でも真っ暗闇のところでは色は見えない、ということは体験的に分かるので、色には光が必要なのですね。

そして人間の眼は、なんと数万色は識別できるのだそうです。

「色の不思議」ということについても、いろいろと例を挙げて説明されました。

たとえば色には色の明るさという特性がありますが、これが明るい場合と、暗い場合では印象が異なり、たとえば同じ人間の顔写真を見ても、色黒だと男性のように見え、色白だと女性のように見える、ということです。

またfacebookなどでもよく見かけた事例ですが、同じ色のドレスを着ていても、周りの色によってブルーに見えたり、銀色に見えたりすることがありましたね。

それと「金色の不思議」ということも紹介されました。
金色というのは、部分的に見ると、単に黄色だったり茶色だったりするのですが、全体として見ると金色に見える。
そして、てかっているような感じがあると、それだけでゴージャスに見えたり、ぬるっとした感覚も沸いてきます。
金色の持つ光沢感、というのは私たちがアクセサリーを選ぶときにも重視することですね。ただの、のっぺりとした金色では高価なものに見えませんね。

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藤田先生は動物学から研究を始めたそうで、人間以外の動物の視覚についても詳しい説明がありました。
動物の種類により色の見え方が違うというのはよく耳にしますが、「ミツバチ」は特殊で、人間よりも紫外線の外の色まで見えるそうです。
(それでミツバチは、花のミツのありかが分かるのかもしれません→私の感想)
つまり動物が見える世界と人間が見える世界は違うのですね。

脳の話では、サルの脳のことも取り上げていましたが、サルの大脳を切り開いて、平らにすると、そのうちの半分くらいは視覚に関係する部分になるそうです。

また人間の脳の細胞のうち、どの色に反応する細胞かは決まっているそうですが、「赤」に関係する細胞が多いということだそうで、それは吉岡先生のお話にも通じることでした。
「赤」という色が目立ちやすいのは、細胞レベルでの違いなのですね。

脳というのは、かなりベトベトとした物質でできているものだそうですが、脳のどの部分で色が分かるとか、言語が分かるとかなどは現在では細かく研究が進んでいるそうです。

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藤田先生のお話はいろいろあったので、以上は、私が気になったことだけをまとめてみました。
なかなかうまくまとめられませんでした。

以下は、私の感想です。

「赤」い色を見るとメラメラと燃える火を思い出したり、「青」い色を見ると爽やかな気持ちになったりするのか、ということはみな同じではないとは思います。
たまたま同じような環境に長く生きているという積み重ねがあってこそ、そういう感情は共有できるのでしょうね。
人種や歴史によって異なるのは、どちらが良くて、どちらが悪いということではないと思います。
双子が違った環境で育ったときのその後の研究、というのがありますが、時代や環境に寄っての違いはどうなのか、気になりました。

色の話とは直接関係がないかもしれませんが、色から受け取る感覚は先天的なものと、後天的なものがあるということがある程度分かると、たとえば人種による差別なども少なくなるのでは、と思いました。
日本人だけが優れているとか、他の人種は劣ってるということは、簡単に口にすべきことではないでしょう。

また、「光と眼と脳がないと色が見えない」というのは、たとえば生まれつき盲目の人には、色は存在しないのか、という疑問が湧きました。

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吉岡先生のお話と、脳科学の第一線の研究者の話を一度に聞けたのは、ラッキーでした。

ただし、シンポジウムは平日の昼間に行われましたが、会場には専門家のようなレベルの方から、定年退職者のようなおじいさんたち、学生など8割くらいが男性でした。

色の話は、本来はファッションとか、子育てにも関連すると思うので、女性向きでもあるとも思います。
女性向けの企画を立てるのは、なかなか難しいのでしょうか。

研究に性別は関係ないと思いますが、男の人が面白いと思うことと、女性が面白いと感じることは違うのと思います。
「脳研究」というと堅苦しい感じがしますが、女性研究者にも頑張ってもらい、身近な研究をしてもらえると、いいですね。



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