昨日は上野の東京国立博物館平成館で「運慶」▼を見てきました。
上野公園は樹々が色とりどりに紅葉していてとてもきれいでした。
それにしても人が多くて大変。
特に修学旅行生がわんさかと来ていました。
こちらは夜にはライトアップされるという建物。
昼間見ると、それほどでもありませんでしたが、何の建物なのかしら?
これまで彫刻にはそれほど興味はなかったのですが、運慶の彫刻にはびっくりしました。
興福寺中金堂再建記念特別展「運慶」というのが正式の名称でした。
その迫力、作品の数の多さ、人体の観察力、どれをとっても西洋の彫刻に劣るものではないと思いました。
運慶は生まれた年は不明ですが、平安末期でした。
1150年ころと言われているそうです。
お父さんも仏像を彫る人でした。
少年の時に初めて彫ったという大日如来座像もありましたが、とても力強いものでした。
そして肉体の写実もしっかりとしていて、像の手の甲の血管まで浮き出ていました。
目もすごくらんらんとしていて、ちょっと怖いくらいでした。
運慶の年表を見ると、奈良、鎌倉、静岡、愛知などと活躍場所も広範囲であり、興福寺、東大寺が焼き討ちにあったのち、復興に力を注いだそうです。
またその時の実力者とも繋がりがあったようで、多くの武将からも制作の依頼があったのだと思います。
亡くなったのは73歳ごろのようですが、当時としては長生きの部類だったことでしょう。
今回の展覧会で何よりもよかったのは、仏像がむき出しで置いてあったことです。
ガラス越しではなく、生のままの仏像を眺めることができました。
作品は仏像というよりも童子や四天王、不動明王など、私には区別がよく分かりませんでしたが、悪者を足の下に置いて、目をらんらんとさせている像が印象的でした。
面白いと思ったのは、十二支を表した像。
これは運慶の弟子の手によるものだそうです。
それぞれの動物が、頭の上に飾られていました。
もちろん、自分の干支の像をしっかりと眺めてきましたよ。
それと頼朝が亡くなって三回忌の時に作られたという観音像は美しかったですね。
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この日の装い。
ちょっと紅型風の染の着物です。
帯は、黒に紫や深緑の模様があるものですが、実はこれは裏側なのです。
表は水色に花模様の帯です。
運慶展を観た方にWEB小説「北円堂の秘密」をお薦めします。
返信削除グーグルやスマホにてヒットし、小一時間で読めます。
その1からラストまで無料です。
少し難解ですが歴史ミステリーとして面白いです。
北円堂は無著世親像を収蔵する古都奈良・興福寺の八角円堂です。
読めば歴史探偵の気分を味わえます。