2018年8月18日土曜日

早稲田「待賢殿」 その2

先日、訪問した早稲田「待賢殿」 その1▼の続きです。

私は皇室崇拝者ではありませんが、かつて日本の一時期に、皇室で実際に使われていた道具を見ることには興味があったので、そういう歴史的観点からこちらで開催されていた「宮廷の雅」展に行ってみました。
明治150年記念の展示会でした。


綺陽装束研究所▼主宰の八條忠基先生が、展示品を一つずつ詳しく紹介して下さいました。


まずは宮廷装束がドーンと眼に入りました。

昭憲皇太后(明治天皇の奥様)の夏着物
女官の着物など
織りや刺繍が美しいお召物でした。


檜扇
木製の扇で、装束の一部です。
主に顔を隠すものであり、うちわのように、ぱたぱたと風を起こすものではありません。


食器各種
菊の紋と共に、それぞれの宮様のお印も描かれていて、「○○宮様専用」といった感じでした。
奥に見える黒い器は、「耳たらい」といって、お歯黒をつけるときに使用するものです。
光格天皇が使用されたもの。ちなみにこの天皇は、天保年間の方ですが、朝廷の近代化に着手された方で、とても博学な方だったそうです。今の天皇は光格天皇の直系になるそうです。


お菓子をしまっておく箪笥。
「御菓子箪笥」というそうです。
どんなお菓子が入れられていたのか、興味がありますね。


このまま持ち運べるようになっています。
キャリー・キャンディ・ボックス、と呼べばよいのかしら。


たばこセット。
昭憲皇太后はかなりのヘビースモーカーだったそうです。


ボンボニエール各種
これは、もともとはボンボンを入れるケースのことですですが、皇室では宮中晩さん会の時などに、引き出物として配られるそうです。
銀、陶器、漆器などで作られています。
ご結婚や即位式、などの時に実際に使われていました。
かつては精巧な作りのものが多くありましたが、時代が下るにつれて、だんだんとシンプルなデザインになっていったそうです。
次の天皇の代替わりの時にも、このようなボンボニエールが配られることでしょう。


昭和天皇大礼の時に使われた細剣
文官大礼服の正剣
烏帽子につける飾り


図々しくも、この細剣を持たせていただきました。
蛇の顔が付いていました。


刀(サーベル)を方から下げましたが、さて、どういうポーズを取ったらよいのか・・・・。
八條先生に教えていただきました。


「ベルばら」のオスカルさまになれるでしょうか。


胸を張って堂々と。


こちらの杯でワインもいただきました。
菊のご紋章入りです。


ちょっとおすましです。
とても美味しいワインでした。
左下に見えるデキャンタですが、ちょっと見には普通の模様ですが、光が当たるととても美しい菊の花が咲いたように見えるのでした。


明治から昭和までの皇室で使われていた品の展示でしたが、こんなに近くで、おまけに手に取ったり身に着けたりできたのは、ラッキーでした。
おまけにこんなに優美で貴重な品の展示が、たったワンコインで鑑賞できたのも、良かったです。

当時は、これらの品は一般庶民の眼に触れることはなかったと思いますが、こんなふうに公開されるのは、良い時代ですね。
写真も自由に写させていただいて、それも嬉しいですね。

これらの皇室関係の品を、どのようにして集められたのか気になりましたが、私たちの後には留学生がたくさん来訪されて、ちょっとお尋ねする時間がなくて残念でした。

めちゃめちゃに暑い日でしたが、この会場の中は涼しく、極楽にいるようでした。

同行したKさん、写真を写していただき、ありがとうございました。

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