2018年11月3日土曜日

「日本舞踊の夕べ」@古典の日

11月1日は「古典の日」(紫式部が源氏物語を書いていると日記に記した日に由来する)ということで、渋谷区にある伝承ホールで、尾上流の日本舞踊が披露されました。
「日本舞踊の夕べ」という催しです。


尾上流というのは、歌舞伎との深いつながりがある流派ですが、「品格があり、新鮮で、意外性のある踊り」というのが特徴なんだそうです。

日本舞踊には邦楽がつきものですが、今回は長唄、一中節、常磐津の音楽に合わせて踊られました。
そして長唄の部では、私の三味線の先生が地方で「越後獅子」を伴奏されたのです。
お唄も三味線も、揃いの藤の黒留袖で素敵でした。

舞台の写真はありませんが、緋毛氈が敷かれた高い台の上で、きりりと演奏されていましたよ。


今回の「越後獅子」は、尾上流の若手の男性が一人で踊られましたが、さまざまな振り付けがありました。
特に後半ではさらしを持って舞うのですが、長い時間、さらしを振って、さぞお疲れになったのは、と思いました。
下の写真は、私のお仲間の研修生が、さらしを持ってお稽古されている様子ですが、手が疲れると話していました。
この振り付けは、さらしを両手に持って上下していましたが、今回はさらしを片手に持って、左右に振る動作もありました。


「越後獅子」の演奏は、私も三味線で習ったことがありますが、緩急の変化があり、とくにゆっくりと弾く部分は、こんなにゆっくりで良いのか、と思うくらいがちょうど踊りと合って良いのだ、と改めて思いました。

先生はこのところ、踊りの地方として活動されることが多く、井上流の踊り▼や、新橋芸者さんの「東をどり」▼や、京都の上七軒の舞妓さんたちの踊りの三味線を担当されています。

三味線だけの演奏を聞くのもとても良いのですが、そこにお唄が加わり、お囃子が入り、そして踊りがあって、ようやく一つの芸能になるのだな、と思います。


その他は、一中節の伴奏で谷崎潤一郎の「細雪」をテーマにした踊り(3姉妹のみでしたが)、常磐津の伴奏による天女の羽衣舞もあり、いろいろなジャンルの踊りと音楽を楽しめました。

踊った方たちは、同じ尾上流とはいえ、それぞれ違う先生について習っているそうですが、さすがに皆さん、息がぴったりあった踊りをされていました。

今回の日舞は、素踊りといって衣装を付けないものでしたが、最後の天女だけはきれいに白塗りをして、衣装を付けていました。
袴や普通の着物で踊るのも良いですが、やはりきらびやかな衣装での踊りも見てみたいですね。


ところで渋谷区では寺子屋という制度があり、子供たちが日本の古典芸能を学べます。
ということで、この日本舞踊にもたくさんの塾生が鑑賞に来ていました。

この日は、司会者と尾上流のお家元(尾上菊之丞さん)のかけあいで、子供たちにも分かりやすく楽しい内容となっていました。
お家元が振りをして、それを当てる(ジェスチャーゲームと呼んでいました)ときは、会場の子供たちが大きな声で答えていました。
こうやって、日本の芸能が次世代にも伝わっていくのは大事なことだ、と思いました。

この日のチケットは、「ぴあ」でネット購入したのですが、座席のチョイスがなくて、自動的に割り振られていました。
でも会場に行ったら、中央のとても良い席でラッキーでした。

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この日の装い。

日本舞踊の会には、いったい何を着て行ったら良いものか分かりませんでしたので、とりあえず派手目の色無地にしました。
地紋とぼかしがあり、いつもラフな私にしては、ちょぃと正装っぽい?


実はこの着物は千円。
あまりしょっちゅう着るものではないので、そういうのは安いリサイクルにしています。

会場では着物姿の人も見かけましたが、それほど多くはありませんでしたね。
せいぜい1割くらいだったでしょうか。
ほとんどの人が、ラフな洋装なので、なんだかちょっと拍子抜けしてしまいました。

着物の方でも、ものすごく豪華な訪問着という人はいませんでしたね。
無難な色無地か、小紋や縦縞の着物の方がいたくらいです。

シルバーのおめでたい模様の帯も千円でした。
(この写真で、衣紋が抜けていないのに気づき、慌てて修正しました)


この派手ないでたちで電車に乗るのはどうかと思い、道中は羽織を着ましたが、暑くて死にそうになりました。
満員電車ではなんと冷房がかけてありましたよ。

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