もう先月のことになってしまいましたが、11月の謡音読会は「山姥」でした。
「山姥」というと、一昔前、渋谷あたりに出没して一世を風靡したガングロギャルのことを思い出してしまう私です。
能のほうの「山姥」の舞台は、新潟県糸魚川市の上路(あげろ)という山中だそうです。
越中、越後の境にある親知らずを越えて、境川という川を5キロ程さかのぼったところにあるのが、山姥の里・上路です。
そこには山姥信仰が今もあるそうです。
「山姥」は、善光寺参りに行く途中の話です。
遊女や山姥が登場しますが、今まで教えていただいた謡の中では一番長いものでした。
山姥は曲舞(くせまい)というのを舞いますが、どんな舞なのでしょうね。
ストーリー自体は、神秘的というか、私にはあまりよく理解できない内容でしたが、言葉は七五調で、リズム感があり、発音は馴染みやすいように感じました。
以下は最後の部分ですが、「キリ」と呼ぶのだそうです。
春は梢に咲くかと待ちし
花を尋ねて山めぐり
秋はさやけき影を尋ねて
月見る方にと山めぐり
冬は冴えゆく時雨の雲の
雪をさそいて山めぐり
めぐりめぐりて輪廻を離れぬ妄執の雲の
塵積もって山姥となれる 鬼女が有様
見るや見るやと 峰にかけり
谷に響きて今までここに
あるよと見えしが山また山に山めぐり
山また山に 山めぐりして
行方も知らず なりにけり
よく分からなくても、四季折々の美しい山の情景が伝わってくるようでした。
私は能の世界というのは、京都や関西方面、あるいは江戸の話が中心なのかと勝手に思い込んでいましたが、このように新潟の山の中が舞台にもなるのだ、というのが一番の驚きでした。
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この日の装い。
雨がチラホラしていたので、濡れても大丈夫なポリ着物にしました。
写真では淡いベージュのように見えますが、オレンジ色、茶色などの細かい格子模様です。
帯は、「さやがた」と呼ばれている文様です。
焦げ茶でくっきりしていて、締まりがありますね。
図らずも、10月の時と同じになってしまいましたね。
ご参考までに、10月の後ろ姿。
八王子娘さんのバザーで、たしかワンコインでいただいてきた木綿の帯です。
重宝させていただいています。
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