こちらの学校の正式名は、東京都立三鷹中等教育学校といって、中学校と高校一貫教育校ですが、私の中では「三鷹高校」の印象が強いので、つい三鷹高校と言ってしまいますがご勘弁を。
最初の受講は、2018年11月でした。
お昼を挟んで、午前・午後の授業でした。
2回目は12月に行われ、そして3回目は来年の1月の予定です。
我が家から三鷹高校までは、直線距離で測ればそれほど長距離ではないのですが、とにかく行きは急な坂道を登り、帰りは坂道を下らないとなりません。
バスで行く方法もあるのですが、どれに乗ったらよいか良く分からないので、1回目と2回目は自転車で挑戦しました。
道を間違えなければ、30分程度で行けるところにあります。
(2回目の帰路は、間違えて迷路に入ってしまい、1時間かかってしまいました。)
この草木染め講座は、白衣姿の化学の先生が染め物のことを教えて下さいました。
とにかく受講料(+教材費)が信じられないほど安いので、人気の講座のようです。
また内容が楽しいので、何回も受講されている方もいらっしゃいました。
化学実験室で行われましたが、今の高校はそういう教室もちゃんとあるのですね。
まずは、先生から染色に使う植物についての説明がありました。
植物は、雑草でも野菜でも、基本的にはなんでも染まるそうです。
ただし、すぐに色が消えてしまいます。
染める材料は、花の部分ではなくて、木や枝を用います。
また玉ねぎの皮や、ブドウの皮、コーヒー、紅茶、緑茶など身の回りにあるものでも利用できます。
次には、染める布や糸についての説明がありました。
絹や毛などの動物性の布は、よく染まります。
植物性の木綿や麻はやや染まります。
合成繊維のナイロンはよく染まりますが、アクリル、レーヨンは染まりにくく、ポリエステルはほとんど染まりません。
混合物については、染まり具合が微妙になります。
そして草木染めの色の出し方(媒染剤)についての説明がありました。
かつてはそれぞれの地方(たとえば大島とか、山形とか)で、土壌や水の中に含まれている自然のものを媒染として使って染色していましたが、現在は次の3種類が使用されています。
1.ツバキ灰液
2.ミョウバン液
3.酢酸鉄液
次は基本の染め方の説明でした。
1.洗濯用ネットに、材料を小さく切って入れる。
2.それを水に入れて、約20分ほど煮込んで、汁を取る(一番汁)
3.もう一度、水を加えて、1と同じように煮込んで、汁を取る(二番汁)
そして一番汁と二番汁を混ぜる。
4.染めたい布を水で濡らし、軽く絞ってから、煮汁の中に入れて約20分ほど煮込む。
この時、色むらを防ぐために、菜箸で混ぜる。
5.媒染剤を選んで、水に溶かして、この中に染めたものを漬けこむ。
6.水で軽くすすいで、干して乾かす。
去年の受講生が作った見本がありました。
第1回目の11月では、藍と紅花に挑戦してみました。
まずは紅花染。
材料です。
なんとなくオキアミのような感じですね。
紅花には、赤い色素と黄色の色素が混ざっています。
黄色は本来は染色には使わないのですが、今回はかすを利用して、染めることにしました。
こちらはまだ黄色が混じっています。
紅色だけになりました。
紅色は、ペーハーを測り、薬品を使用して色を出しました。
右上に見える体温計のような器具がペーハー測定器ですが、非常に高価なものだそうです。
紅く染めた後で、媒染液に浸しているところ。
とてもきれいな色が出ました。
染めるものは、それぞれ自分が自宅から持ち込んだものです。
私はちょっと黄ばんでしまった半襟とか、小さな端切れを持参したのですが、一緒に作業した方は、Tシャツやブラウス、マフラー、暖簾、靴下、バッグなどかなり大きいものを染めていました。
(おかげで、私の小物が陰に隠れてうまく染まらなかった)
染め上がるまでの間に、簡単な加工をしてみました。
こちらは板締め。
積み木のような薄い板で両側を挟み、ぎゅっと締めておくと、板の部分だけが色が染まらず、元のままの模様になります。
今回の板締めは、黄色の液で染めたので、あまり目立ちませんでした。
こういう失敗もありますね。
こちらは絞り。
輪ゴムで縛っておくと、その部分だけが色が染まらず、ゴムを取った後は、白くて可愛いリング状になります。
その次は藍染をしました。
藍染にはいろいろな方法があるようです。
私もこれまで何回か藍染を体験したことがありますが、今回はインジゴピュアというものを使ったやり方で、それほど面倒ではなかったような気がしました。
ただしどうやっても、藍色が手などに色がついてしまうので、ゴム手袋は必須ですね。
このあたりになると、手袋をしたままだと写真も撮れないので、これだけしかありませんでした。
家に帰って、洗濯干しにかけたところです。
今回は化学の先生お二人が説明と実技を担当されていらっしゃいました。
ボランティア精神に溢れた先生たちで、お話も楽しく、こういう先生だったら、化学の授業ももっと好きになっていただろうな、と半世紀前の高校生生活を思い出してしまいました。
【参考】
草木染には、いろいろな手順や方法があるということですが、これまでの2回の紅花染のことも覚え書きとして記録しておきます。
2014年8月 結城での紅花体験 こちら▼
2015年12月 その後の紅花体験 こちら▼
(この項、続きます)
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