盛夏の中の「源氏物語を楽しむ会」でした。
こちらは会場として使っている世田谷区の施設です。グリーンの棚がちょっと涼し気。
まずは入室してすぐに部屋にクーラーを入れて、コロナ対策のために備え付けの机や椅子を消毒して、暑さが収まるまで、しばし雑談をしてから読書会を始めました。
今回の「絵合」の巻には、女性たちの衣装や、調度品などを説明する文章が多く、それらを図鑑で調べながら進めました。
ちなみに下の漫画は、大和和紀さんの「あさきゆめみし」に描かれている「絵合」のシーンです。左の男性が光源氏、右の男性は頭中将です。それぞれ奥様たちやお付きの女房たちが並んでいますね。
「絵合」は、こんなふうに左右に分かれて、どっちの絵が素晴らしいかを競争するという遊びです。
ところで、原文に「童は赤色の上衣に桜襲(がさね)の汗衫(かざみ)、衵(あこめ)は紅に藤襲の織物」という文章がありましたが、イマイチ、どんな衣装かピンときませんでした。
こちらの写真は、以前、2008年に「源氏千年紀」のイベントで、十二単を着せる実演を見た時のものですが、右の女性の着ている短い上衣の上に着るのが「汗衫」なのかしら。文字で見ると、肌着のような気もしましたが、どうも外側に着るようですね。
ちなみに襲というのは、2色の色の組合せのことで、参考の図鑑によると、桜襲(表は白で、裏は赤・葡萄染め)はこんなふう(右ページの中央)だったのでしょう。桜の淡いイメージよりも、濃い色合いのようですね。
また部屋にある調度品もいろいろ登場しました。
「花足」(けそく)というのが想像できませんでしたが、脚のついた背の高いお皿のようなものと思えば良いのでしょうか。元々は仏前に供えるお菓子などを盛る器のようです。
この「絵合」ですが、どちらの組の絵も素晴らしくて、なかなか勝負がつきませんでしたが、最終的には光源氏の描いた須磨の絵日記が素晴らしく、左のチームの勝ちとなります。
「源氏物語」はおよそ千年前に書かれた物語ですが、その頃から衣装や住居の充実ぶりが伺えられました。何回も火災が起きた時代ですが、そのたびに衣装や住まいを作り直したのでしょうか。
貴族たちはこのように優雅な生活をしていましたが、その生活を支える職人や農民もたくさんいたはずです。その実態は記録として残っていないようですが、彼らがいたからこそ、染色や工芸の技術が発達して継続されてきたのでしょうね。
そして日本には「文字」があったからこそ、今にその歴史や物語が伝わっていることを、ありがたく思います。
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この日の装い。
朝方は少しは気温が下がっていたので、頑張って麻の着物を着ました。なんと2020年8月には初めての着物です。いかに今年はいつもと違うかが分かりますね。
ジョーゼットのように薄くて、かなり透ける着物です。
ユニークリエイターズマルシェで購入した陶器の帯留▼を付けてみました。
帯は半巾帯の「吉弥結び」にしましたが、あまりにバランスが悪く不格好だったので、写真を撮ってから、もう一度結び直しました。
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「一日一句」
この暑さ十二単は着られまい
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