2020年10月15日木曜日

「すぐ死ぬんだから」

内館牧子さんの小説「すぐ死ぬんだから」。

「死ぬ」という否定的な単語が入った題名ですが、年寄りは「すぐ死ぬから、もう適当でいいのよ」というのが口ぐせだということで、そこから使われているのです。

78歳のハナさんが物語の主人公の小説です。

彼女は年相応のばあさんに見られるのが嫌で、オシャレに気を使い、ヘアもネイルもきちんとして颯爽としたスタイルで過ごしていました。長年連れ添った夫もいて、まぁ幸せな老後を送っていたのですが、ある時、夫が急死してしまい、見つけた遺書にはなんと夫には妾がいた・・・。

というよくあるパターンの小説なのですが、文章のテンポがよくて、面白く一気に読みました。

この小説は三田佳子さん主演で、NHKドラマにもなったそうでうが、彼女ではきれいすぎるのでは、と思いました。

以前、やはり内館さんの「終わった人」も読みましたが、こちらは定年退職した男性が主人公でした。そちらよりも、同姓を描いた「すぐ死ぬんだから」のほうが辛辣で、イキイキしている感じがしました。

それでも、女性版も、最後にはラッキーな場面で終わるようになっていて、一安心。

私も78歳にはまだ何年かありますが、読んでいて身に染みることがいろいろありました。歩く速度が遅くなってきた、というところは、そうそうと思うばかり。

また「身の回りに構わなくなってしまったイタイばあさん」にはドキッとさせられます。そういうタイプは「ナチュラル系」と呼ばれていましたが、髪が薄くなったりしてもそのままでお構いなし、というのは情けないですよね。

私は、山登りでもないのに、リュックを背負い、ズボン(パンツではない)姿で歩く、というのが一番嫌いです。高齢女性にはそういう人、多いですよね。曲がった足が余計に目立ちます。そしてくすんだ色のジャンパーと、変な帽子にウォーキングシューズ。みんな同じに見えてしまいます。そういう人こそ、着物を着ていれば3割くらいは良くなるのにな、と傍目で眺めています。

この表紙の絵、年寄りの特徴がよく描かれていますよね。

この小説を読んでいて、人さまの好みにケチをつける気持ちはありませんが、やはりオシャレ心は持ち続けていたいものだと、思いました。

それにしても内館さんの観察力、すごいです。

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「一日一句」(今日は短歌風)

ばあさんになりたくなければお洒落して歩く道端枯れ葉あり


2 件のコメント:

  1. 本は読んでいませんが、ドラマは見ていました。最終話だけ見逃してしまったのだけど、ラッキーな終わり方なのね。
    確かに、三田佳子さんが演じると、「女優が歩いている」といった感じになってしまいます。
    対する女医役は余貴美子さんで、美女対決。その割に、男(夫)がショボかった(^^;)

    リュックは私は使いませんが、両手が開くので楽らしいです。そう、母が言っていました。
    若くて長身の女性がしょっているのは、カッコいいですよね。
    私は、どこに出かけるのも最近はパンツにスニーカ。楽な方に楽な方にと流されています。
    その点、外出時に着物を着るとしちゃんは、すごいというか尊敬に値します。
    少しは見習わなくちゃ。

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  2. このドラマ、見ていた方がかなりいらっしゃるようですね。
    愛人役が余貴美子さんですか。なんだか反対のような気もしますが。

    リュックはハイキングの時などは使いますが、お財布やスマホの出し入れが
    意外と不便です。それにどこに何がはいっているのか、ごちゃごちゃするし。

    マサさんのような美人さんならパンツでもOKですが、
    私は着物でも着ないとダサいばあさんになりそうなので、
    それで着物を愛用しています。

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