2020年12月14日月曜日

「元三大師」@郷土博物館

 「元三(がんざん)大師」の展示が12月13日までだったことを思い出して、慌てて郷土博物館▼に行ってきました。


この郷土博物館は、うちからすぐのところにあります。

かなり古びた建物です。入ってすぐのところには、地元の有名人である近藤勇の座像がドーンと構えています。

さて、元三大師というのは、本名は「良源(りょうげん)」さんという方で、平安時代の天台宗の僧侶だったそうです。「比叡山中興の祖」と言われています。

延喜12年(912年)長浜で生まれ、お亡くなりになったのは永観3年(985年)だそうです。命日が1月3日なので、通称「元三(がんざん)」大師と呼ばれているのだそうです。

この方の像は日本各地にあるそうですが、私の地元の名刹である深大寺にいらっしゃる大師は、高さが2メートルもある大きな像で、日本最大だとか。このような虚像が作られたのは、鎌倉時代、元寇があったときに、国家の願いを込めて作られたようです。それでこの元三大師像が、今年の3月に東京都教育委員会により都指定有形文化財に指定されたのでした。

それを記念して、今回は郷土博物館で、元三大師に関するいろいろな資料が公開されたのでした。

こちら、ちょっと不気味ですね。

元三大師は、疫病退散のご利益があるということで、コロナ禍の今年には適役です。

深大寺でよく見かける白黒のこちらの魔よけの図ですが、これは平安時代に疫病が流行った時、元三大師が苦行をして、骨と筋だけに痩せてしまったお姿を現しているそうです。

江戸時代には、それぞれの家の門のところに、このお札を貼って、魔よけとしたそうです。角が出ているので「角大師」と呼ばれています。

深大寺の名物「だるま市」はこの元三大師と関係が深く、そういえば、今年の3月にだるま市に行った時にも、この奇妙な魔よけのお札を見かけました。

郷土博物館でいろいろな展示を見ていると、深大寺はかなり古くからのお寺ということが分かりました。鎌倉時代の源頼朝の異母兄弟も、深大寺にいたことがあるそうです。

深大寺というと、国宝に指定された飛鳥時代の白鳳仏が有名ですが、今年はコロナ禍ということもあり、疫病退治の元三大師も有名になりました。

地元にいても知らないことも多いので、いろいろ教えてくれる郷土博物館は助かりますね。

それにしてもあまりに古い建物で、ちょっと可哀想かな。

深大寺のホームページによると、来年の令和3年秋には、上野の東京国立博物館で、元三大師に直接お目にかかることができるそうです。是非、行ってみたいものです。

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「一日一句」

年暮るる疫病退治の魔よけなり


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