「更級日記」を読んで、意外と面白かったので、もう少し内容について解説してあるものはないかと、図書館に行きました。
「更級日記」は、平安時代の中頃に、菅原孝標の女(すがわらたかすえのむすめ)が書いた紀行文を含む思い出の記です。
「更級日記」を紹介したブログはこちら▼。
そしてこちらの本を借りてきました。
訳者は木山英明という方でした。どんな人かと、ウィキペディアで調べたところ、なんと文化人類学者だったのです。
この方は、1940年に島根県松江市で生まれ、アメリカ留学もされて、文化人類学に関係する著書もたくさんある方でした。
どうしてそのような方が、日本の古典文学の中の、その中でも地味な「更級日記」を訳したのか、その理由も分かりませんが、とにかく読んでみることにしました。
平易な訳文のあとに、ユニークな解説がありました。
たとえば、当時の「親」についての概念です。現代の親といえば、血の繋がりのある父母を指しますが、昔は死亡率が高かったため、親が再婚することが多く、そのため、継父、継母、継子がたくさんいました。そういう人たちも「親」と呼んでいました。
また「乳母(めのと)」、「名付け親」、「鉄漿(かね)親」などたくさんの種類の親がいました。
そういえば源氏物語の中にも、「烏帽子親」とか「裳着」のときの親などもありましたね。
そのような説明が、訳文の後に書かれていました。平安時代の文学を論じるのに、なかなかここまできっちりと説明されることはありません。
また平安時代の金銭感覚や、数についての概念、四季の捉え方などについても、面白い見解が述べられていました。
普通、古典を訳すのは、国文学者だと思いますが、この方のように違うジャンルの学者さんが古典を訳すのはとても面白いと思いました。またこの方は、宇宙の起源についても著書を出しています。同一人物とは思えないほど、すごく幅広い学問を追求されている方なのですね。
そういう人こそ、本当の学者なんでしょうね。
専門は○○だけど、××についても見識のある人、というのは魅力的ですね。
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住宅街を歩いていると、梅でもない、桜でもない、あれ、何の花かなと思うことがあります。そうだ、桃だったと気づくこともあります。
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