コロナの緊急事態宣言が出てから以降、私の一番の趣味である旅行に行けなくなりました。また美術館や劇場にも自由に行くことができなくなりました。そして私が習っている稽古ごとも、どれも中止になりました。
それらに代わる楽しみを見つけたくて、どこか安心・安全な場所が身近にないかと思って、川沿いのお散歩を始めることにしました。
元々、歩くことは好きでしたが、川を歩くという目標を作ったのは、ここ1か月ほど前のことです。
幸い、私の住んでいる地域には、多くの川があります。
一番、近距離にあるのが多摩川です。ここは徒歩5分ほどで辿り着けます。サイクリングロードや遊歩道、一段低い水辺の道もあり、その時の気分によって歩く場所を変えて、散歩をしています。
また、ちょっと電車を利用すると、神田川を歩くこともできます。この川は東京の西から東に流れて、隅田川まで辿る川です。
仙川という川も市内を流れています。
三沢川という川は、近くの駅から歩いて行けるところを流れています。
また江戸時代に作られた玉川上水も、近くを通っています。
こんなふうに、私の身近には多くの川があることに気づきました。
そして歩いてみると、いろいろな発見があるのです。
何より第一に、自然の美しさです。新緑やバラなどの美しい花、そして川を泳ぐ鯉や水鳥などを目にしながら歩くことができるのは、ほんとうに幸せなことです。
川はそこを境にして、その両岸を別の地域として区切ることがありますが、そのことによって、川沿いを歩くと、両方の自治体の違いがよく分かります。
ある地点から、急に道路の舗装が良くなったり、悪くなったりすることがありますが、そういうところはたいていが自治体の境界線です。
また川にある標識や看板も、自治体の違いにより、丁寧なところと、そっけないところがあります。
川底に生えている草も、ボーボーなところと、よく手入れされているところがありますが、たいていは自治体の違いです。
そんなふうに違いが見えてくるのも面白いのですが、何よりも楽しいのは、橋のあれこれを発見することです。
橋の形、名前、設置年月など、どれを見ても面白く、突っ込みどころが満載なので、とりあえず渡った橋は、すべて写真に撮っています。
こんなことは、興味のない人にとっては無駄なことかもしれませんが、私は勝手に面白がっています。
川は自然にできたもの、そして橋は人間が作った物です。歩くことによって、その両方を味わうことができるのは、とてもラッキーなことだと思います。そして川の地理や、橋の歴史が分かると、自然の営み、人間の営みを再認識することができます。
馬鹿なことをしているなと思われるかもしれませんが、いろいろな小さい発見をして、自分だけのワクワクを感じています。もっとおばあさんになっても、川と橋を探して楽しんでいけたらと思います。
そして何よりも、コロナが終息したら、もっと遠いところの川も歩いてみたいと、強く願います。
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「一日一句」
橋の名を 探して歩く 夏の川
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