「源氏物語を楽しむ会」は、ほぼ火曜日に開催しています。前にも書いたかもしれませんが、この日はめったに快晴のことはありません。誰が雨女なのでしょう?
今回も曇天で、肌寒い日でした。会場の部屋に暖房がほしいくらいでした。
さて今回の源氏物語は、まだ「乙女」の巻です。
この巻は、光源氏の息子である夕霧くんと、いとこである雲居雁の幼い恋愛のお話です。かなり長い巻です。
ここには、二人の祖母である大宮、雲居雁の父親である内大臣なども登場します。また周囲の人間が、二人の恋愛はふさわしいとか、ふさわしくないとか、夕霧の身分が低いから駄目だとか、あれこれ世間体や出世の思惑などの場面も描かれています。源氏物語というのは、当時の社会の判断基準なども描かれていて、単なる恋愛小説ではないことが分かります。
ところで、私達はこの少女のことを「雲居雁」と呼んでいますが、実は源氏物語の原文にはそのような名前では描かれていません。原文では、ほとんど主語は書かれていなくて、あったとしても「姫君」とか「女(むすめ)」と書かれているだけです。
ではどうしてこの若い女性のことを「雲居雁」と呼ぶかというと、彼女が「雲居の雁もわがごとや」と独り言をつぶやいた場面があるからなのです。
漫画「あさきゆめみし」ですと、こちらの場面になります。可愛いですね。
それで後世の人は、この若い女性のことを「雲居雁」と呼ぶようになったのです。
雁という文字は、がんとも読みますね。かりと、がん、同じなのか違うのか、調べてもよく分かりませんでした。
ちなみに夕霧くんのことは、原文では「男君」とか「冠者(かじゃ)の君」と書かれています。
現在の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の中で、殺されてしまった木曽義高も「冠者の君」と呼ばれていましたが、元服をした直後の若い男性(12歳位か?)のことは、冠者の君と呼ばれていたわけです。
そうそう大河ドラマといえば、再来年の大河ドラマは紫式部がヒロインの話になることが発表されましたね。どんな物語になるか楽しみです。
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この日の装い。
曇天でしたので、雨が降っても大丈夫なようにポリエステルの着物にしました。実はこれは反物を無料でいただいたもので、それをマイサイズに仕立てていただいたもの。
帯はだいぶ昔に購入したリサイクル品です。着物が地味なので、帯はちょっと派手目にしてみました。
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「一日一句」
前梅雨や どちらがどっち 雁と雁(かりとがん)
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