先日、上野池之端にある「有職組紐道明」の工房見学ツアー&組紐体験に参加しました。
少し早めに到着したので、不忍池で時間をつぶしましたが、寒さが身に沁みました。
参加者は私以外に5名いましたが、みなさん、ラフな服装で、ヤンキーのような雰囲気の方もいらっしゃり、ちょっと驚きました。彼女たちは着物とは無縁で、帯締めなど無関心な様子。ちょっと変わったアクセサリーを作ってみたい、ということから参加されたようでした。
集合したお部屋には、このようなカーテン状の組紐がかかっていました。斜め方向に伸び縮みするのでした。
まずはお店の方が、組紐の歴史を紹介。最初は中国から入って来ました。その後、奈良時代に日本に根付き、正倉院や法隆寺には当時の組紐が残っているそうです。
そのレプリカを見せていただきましたが、現代人の目から見てもとてもモダンでかっこよく、素適な組紐でした。
「道明」は江戸時代初期の1652年に創業されました。お店の場所は現在と同じですが、江戸時代には参勤交代が通る場所だったそうです。明治時代ころから帯締めや羽織紐がメインになりました。
現在は着物人口が少なくなったので、組紐はアクセサリーやネクタイなどにも応用されて作られています。
お店の中にはたくさんの昔の蔵書があり、歴史の宝庫でした。「有職」という意味のあるお店でした。
現在のお店は5階建てですが、屋根裏にはお茶室も用意されていました。
組紐の歴史を聞いた後、染色や、帯締めを組む様子を見学しました。
染色は7色で色を作り出しますが、黒やグレーの色を作るのが難しいそうです。職人さんは、この液体を目分量で測り、色を作り出していました。身体で覚えるお仕事なのですね。
お次の部屋では、帯締めを組んでいるところでした。
丸台の前には、若い女性の職人さん。36本の糸を操作していましたが、すごい早業でした。
一番驚いたことは、お店には100人ほどの職人さんがいるそうですが、それぞれ自宅などで作業をして、そして一人につき1種類の組紐しか作らないそうです。つまり冠組を作る人はずっと冠組だけをするのだとか。教室の生徒さんのほうが、色々な組み方を知っている、ということでした。
その後に、私たちも組紐体験をすることになりました。イヤリングかピアス用の短い組紐です。色は事前に希望を出しておきました。
今回は角台でやりました。私は丸台しか使ったことがないので、初めはちょっと慣れなくて焦りました。
ちょっとやり直しをしたところもありますが、それでもなんとか組み上がりました。
この後の仕上げは職人さんがやってくれるので、気楽です。出来上がると自宅に届けてもらえます。
お土産にお店のカタログをいただきました。
こちらの絹糸もお土産です。
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憧れの道明に行くので、落ち着いた雰囲気の格好のほうが良いと思い、淡い黄緑の飛び小紋にしました。小さなカブが描かれています。
自作の八つ組の帯締めを合わせました。
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「一日一句」
春淡し 組紐学ぶ 池之端
道明での組紐体験と見学いいですね。
返信削除私もいつか行ってみたいです。
出来上がるの楽しみですね。
伝統工芸の世界も、オープンにして若い世代を取り込んでいくのだろうと感じました。
削除カンカンは道明のすてきな多色使いの帯締めをお持ちでしたよね。
このワークショップは中間に業者が入っているので、私はちょっと高いと感じました。まぁ仕方ないですけどね。