不思議な場所にある町田市立国際版画美術館でしたが、そこで見たのは「楊洲周延」の展覧会でした。
「ようしゅうちかのぶ」という名前はあまり耳にしたことがないと思いますが、名前は知らずとも、誰でも一度は、このような絵を見たことはあるのではないでしょうか
会場では、一部の絵画は撮影OKでしたので、写してきました。
この人は本名は橋本直義といって、幕末に生まれた浮世絵師です。
高田藩(新潟県)の藩士の家に生まれ、戊辰戦争にも参戦しました。そして榎本武揚について箱館戦争でも戦った武士だったのです。
その後、40歳くらいになってから本格的な絵師として活動しました。
彼の描いた絵は、戦争もの、宮廷物、美人画、役者絵、歴史物、歌舞伎もの、など非常に数多くありました。
そのどれもが細かい着物の柄や、丁寧な髪型などで描かれていて、いったいどれくらいの時間で描いていたのだろうかと、気になりました。
あまりに膨大な絵画が展示されていたため、私は途中で休憩を入れて、2回に分けて見たほどでした。
彼の絵画の特徴は、何と言っても鮮やかな赤の使い方でした。特に女官の緋色袴の赤は素晴らしく、圧倒されました。
また歴史上、実在した人物の顔を描くのも得意でした。明治天皇ご夫妻、伊藤博文などの政治家などの絵も数多くありました。実際に対面されていたのでしょうか?
彼は75歳くらいまで長生きをして、明治26年(1893年)のシカゴ万博にも浮世絵を出展していました。
幕末から明治にかけて大活躍をされた人でした。
私は北斎や歌麿の浮世絵も素晴らしいと思いますが、この楊洲周延も負けず劣らず、すごい絵師だったと思います。華やかで艶やかで、見ていて気分が高揚してきました。
この展覧会は2023年12月10日まで、町田市立国際版画美術館で開催されています。
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「一日一句」
江戸明治 武士から絵師へ 大変化
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