2024年3月18日月曜日

「源氏物語展」@東京富士美術館

八王子市にある「東京富士美術館」、一度行ってみたいと思っていたのですが、ようやく行くことができました。

八王子駅からバスで行くのですが、ひよどり山というところを越えていくので、どんな山奥にあるのだろうと思っていましたが、それほど時間もかからずに到着しました。ちなみにこの西東京バスはシルバーパスが使えるので、八王子からは無料で行けました。

東京富士美術館は開館40周年だそうですが、創価学会系列の美術館で、周辺には創価大学、創価女子短大など、いろいろな施設がありました。

美術館には創価学会の信者さんが訪問しているのか分かりませんが、とにかくすごい観客数で超満員でした。

いくら大河ドラマで紫式部が取り上げられているとはいえ、どちらかというとマニアックな「源氏物語」の展示会に、多くの人が来場していたのでびっくりしました。

それもほとんどが中年女性で、おまけにどういうわけか、着物着用率がすごく高くて驚きました。歌舞伎見物客の着物着用率よりずっと高いのでした。どこかの呉服屋さんの招待客なのかもしれません。団体バスもずらりと並んでいました。

この日は「姫君の空間~御簾の下からこぼれ出る女房装束」という講演があるので、早めに到着しました。


ところが会場に行くと超満員で、立ち席しかないとのこと。仕方なく入場しましたが、椅子が追加されて、ようやく席を見つけて一安心。

講師は大妻女子大の赤澤真理先生という方でした。

平安時代の建築が専門で、まずは寝殿造りについての説明がありました。

当時の建物は、ひとつの大きな空間であり、御簾や几帳などで区切るというのが特徴でした。


また女房の装束(袖が几帳などからのぞく打出)も、一つのインテリアになっている、という説明がありました。ただし、わざと袖を出すのは、よろしくないということでした。

この打出というスタイルは、南北朝時代まで続いたそうです。

とくに目新しい内容ではありませんでしたが、宮廷などで女房たちの座る位置と、装束の袖などがどのようにして記帳からはみ出すか、を図解入りで説明していただいたのが分かりやすかったです。

ただしこの講演は15分で終了してしまい、もう少し深い話を聞きたかったですね。
その後の十二単の実演がメインだったようです。

この道40年という装束研究家の先生が、モデルさんを横に置いて、5枚重ねの打衣(うちぎぬ)と、唐衣(短い上着)、裳というスカートのようなものの着方を説明しました。

最初はこんな姿でした。


だんだん、重ねていきます。
着せる人は前と後ろの2名いました。


5枚ほど重ねました。
このようなかさねの取水は、なんと200種類くらいあったそうで、それがファッションセンスの見せ所だったのでしょうね。


こちらは模様が入っていて美しい。


こちらが一番上になりました。

裳というスカートのようなものを羽織っておしまいになりましたが、装束は全部で16キロ~20キロの重さになるのだそうです。それではまともに歩けませんね。

その後、扇を持って歩いたりしました。顔はほとんど誰だか分かりませんね。


男性も登場しました。


実演ショーは45分かかりました。

こちらは打出の場面を再現したものです。


御簾(みす)の蔭から袖だけが見えています。
色も美しいですが、刺繍やアクセサリーのようなものもあり、かなりおしゃれでした。
シルバーのような素材の花や鳥もありました。


几帳(きちょう)も、とてもきれいでした。


こんな感じで、女性は御簾のそばに座って袖を出していました。

その後は展示会場に行きましたが、ここも超満員で、法華経などほどんど見えませんでした。

絵画、工芸、染色(吉岡幸雄さん作)、数々の出版物などが展示されていました。円地文子、田辺聖子、橋本治、瀬戸内寂聴などの源氏物語も並べられていました。「あさきゆめみし」もありましたよ。

遙か昔の絵画や屏風も風格があり、素晴らしいとは思いましたが、私は現代の画家による源氏物語を題材としたガラス作品などに興味が湧きました。

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この日の装い。

とても暖かい日でしたので、淡い色の紬の着物にしました。


帯は叔母が使用していたもの。
両面帯(黄色と緑色)なので、これ一枚あれば、たいていの着物に合わせられて、便利です。


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「一日一句」

春深し ひよどり山の 源氏展


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