先月、紀尾井小ホールに三味線の会に出かけた際に、こちらのチラシが目に入りました。
「音楽でつづる文学 源氏物語 女三宮と柏木」
女優の紺野美沙子さんが出演されるというので、ミーハー気分で公演チケットを申し込みました。
当日は小雨交じりの寒い夜でしたが、紫式部に敬意を払って、淡い紫色の訪問着で出かけました。
源氏物語の構成など、登場人物の系図もあり、分かりやすい説明でした。
私が意外だと思ったのは、女三宮(光源氏の異母兄である朱雀院の第三皇女)の母親は、藤壺中宮(光源氏の義理の母親であり、憧れの人)の妹だったということ。つまり藤壺と女三宮とは伯母、姪の関係だったということでした。
また女三宮が飼っていた小猫の紐が御簾にひっかかり、そして御簾が巻き上げられて彼女の姿が丸見えになって、その場面を柏木(光源氏のライバルであった頭中将の息子)が蹴鞠をしていた折に見られてしまうというハプニングが起こりました。それがきっかけとなり、女三宮と柏木の間での密通事件が起こるのです。
その大事な場面ですが、この小猫は別の大きな猫に追いかけられていて逃げていた、ということは知りませんでした。
なかなか細かい部分まで教えていただきました。
こちらは土佐光則による「若菜上」の場面です。猫のような動物が描かれていますが、かなり大きそうですね。
私は前から2列目という良い席でしたので、出演者の着物の柄や帯も手に取るようによく見えて、ラッキーでした。
そして紺野美沙子さんの小顔には驚きましたた。ほんとにちっちゃくて、まさに女優顔でしたね。お声も美しくて、そして堂々とされていました。
その次は八橋検校作による箏の演奏と歌でした。演奏の前に八橋流箏曲の演奏者による解説がありました。演奏法は普通の箏とはかなり違っているように思いました。ダイナミックで、そして繊細な技法のように感じました。
最後は三曲による地歌でした。三味線と箏の奏者はそれぞれ歌も歌っていました。三味線の方の着物がゴールドで、素晴らしく豪華で、そちらばかりに目が行ってしまいました。
今回の演奏は、光源氏の正妻となった女三宮と、柏木の不倫の話ですが、紫式部はこの話を通して、中年になった光源氏や、嫉妬により病になってしまう紫の上の姿を描きたかったのではないでしょうか。
私の母は、娘時代から琴を習っていて、家にも琴がありましたが、どんな風に演奏していたかは知りません。国立劇場で演奏したときの写真もありますが、聞いたことはありませんでした。いちど聞いておきたかったですね。
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この日の装い。
茶屋辻模様の薄紫色の訪問着。めったに着ない着物です。
帯は川島織物の白と薄水色の名古屋帯。これもリサイクルですが、私にはかなり高かった帯です。
夜の外出は久しぶりでしたが、楽しめた夜でした。
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「一日一句
春の宵 淋しさ募る ものがたり
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