現在、大学で受講している授業は、主に江戸や東京の歴史や地理についてです。
何十万年前の関東地方の地質の話(難しくてよく分からない)、太田道灌の時代の話、徳川家康の江戸大改革の話などがメインです。
その中で面白いと思うのは、学部の学生と一緒に受けている東京の人文地理についての授業です。
先生の専門は、解析地理とかいう分野で、いろいろなデータを分析しながら研究されています。
特に戦後の東京の動向について調べているので、私たちベビーブーマー世代が子供の頃の話もよくあります。
前回は、「団地」についての分析でした。
団地と言えば、私が小学校高学年になってクラス替えがあったとき、新しくできた荻窪団地に住んでいる男の子がいて、人気の的でした。
当時、鉄筋コンクリートの4階建ての2DKの間取りに住んでいる、ということだけで彼は羨望のまなざしで見られていました。
現在、その団地はしゃれた名前の建物に作り直されていますが、半世紀以上も昔の団地を思い出して懐かしくなりました。
また昭和35年には、新婚だった皇太子夫妻(現在の上皇夫妻)がひばりヶ丘団地のおうちを見学に行ったそうです。アメリカ旅行に行く前に、近代的な建物で暮らす一般庶民の生活を見ておきたかったとか。現在は、上皇夫妻が手を振ったベランダが、団地の敷地内にモニュメントとして残されています。
また団地には活動的な人が住むことも多く、共産党の不破哲三もひばりヶ丘団地に住んでいたそうですし、兄の上田耕一郎も別の団地に住んでいたそうです。
当時の団地は、ある程度の高収入がないと駄目だったそうですが、それでも抽選倍率が非常に高く、誰でもが簡単に住むことはできませんでした。
現在では住む人間も高齢化して、建替えについて問題もありますね。
地理の授業ですが、なかなか面白い話を聞くことができます。
ただし毎回、レポート提出があるので、ヒヤヒヤしながらパソコンに向かっています。
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「一日一句」
戦後には みなのあこがれ 団地っ子
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