2024年5月30日木曜日

「源氏物語を楽しむ会」70回 2024年5月

私たちの「源氏物語を楽しむ会」も、気づけばもう70回目となりました。相変わらず、たわいないおしゃべりからスタートしていますが、気楽に話せる友人がいるのは良いですね。

さて今回の源氏物語では、光源氏の異母弟である蛍宮が、玉鬘に出した恋文が注目の的となります。

下の写真でお分かりになるでしょうか。左の男性は光源氏、右の女性は玉鬘です。

絵の右側に折りたたんだ手紙が見えますね。

(土佐光則 「源氏物語画帖」 江戸時代前期)

手紙は蛍宮からの恋文ですが、玉鬘の元へ、菖蒲に巻きつけられて届きました。それを光源氏が吟味しているところです。

なぜ、菖蒲に巻き付けたかというと、この日は5月5日の節句でした。

5月5日というと、現代では男の子のお祝いの日ですが、平安時代は「端午節会」といって、朝廷の年中行事の日でした。内裏では菖蒲が献上され、息災長寿を記念する薬玉が下賜される日でした。

上の絵画で、菖蒲は花と葉っぱだけでなく、長い根も描かれています。そこには蛍宮の気持ちも込められていたのです。

また9月9日には重陽の節句があり、こちらは菊酒などで長寿を願います。年に2回はこのような行事をしていたようです。

ということで、蛍の宮は菖蒲に手紙を巻き付けて送ったのですね。

その歌を読んで、光源氏は玉鬘に「こちらにはお返事しておきなさい」と言うのでした。


他にも、ほーっと思う言葉がありました。

それは「端午の節句」の「端午」ですが、「端」は「はしっこ、はじめ」というような意味で、「午」は五月という意味だそうです。つまり「端午」は「五月の最初の」という意味なんだそうです。

それが戦国時代あたりから、「菖蒲」が「尚武」という言葉に繋がり、男の子の武運と成長を願う行事になったようです。

ひとつ、お利口になったような気分になりました。

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「一日一句」

源氏読み 端午の節句の 意味を知る



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