私たちの「源氏物語を楽しむ会」も、気づけばもう70回目となりました。相変わらず、たわいないおしゃべりからスタートしていますが、気楽に話せる友人がいるのは良いですね。
さて今回の源氏物語では、光源氏の異母弟である蛍宮が、玉鬘に出した恋文が注目の的となります。
下の写真でお分かりになるでしょうか。左の男性は光源氏、右の女性は玉鬘です。
絵の右側に折りたたんだ手紙が見えますね。
(土佐光則 「源氏物語画帖」 江戸時代前期)
手紙は蛍宮からの恋文ですが、玉鬘の元へ、菖蒲に巻きつけられて届きました。それを光源氏が吟味しているところです。
なぜ、菖蒲に巻き付けたかというと、この日は5月5日の節句でした。
5月5日というと、現代では男の子のお祝いの日ですが、平安時代は「端午節会」といって、朝廷の年中行事の日でした。内裏では菖蒲が献上され、息災長寿を記念する薬玉が下賜される日でした。
上の絵画で、菖蒲は花と葉っぱだけでなく、長い根も描かれています。そこには蛍宮の気持ちも込められていたのです。
また9月9日には重陽の節句があり、こちらは菊酒などで長寿を願います。年に2回はこのような行事をしていたようです。
ということで、蛍の宮は菖蒲に手紙を巻き付けて送ったのですね。
その歌を読んで、光源氏は玉鬘に「こちらにはお返事しておきなさい」と言うのでした。
それは「端午の節句」の「端午」ですが、「端」は「はしっこ、はじめ」というような意味で、「午」は五月という意味だそうです。つまり「端午」は「五月の最初の」という意味なんだそうです。
それが戦国時代あたりから、「菖蒲」が「尚武」という言葉に繋がり、男の子の武運と成長を願う行事になったようです。
ひとつ、お利口になったような気分になりました。
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「一日一句」
源氏読み 端午の節句の 意味を知る
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