実は私はうかつにも今年度の
市民カレッジ「美術館建築を楽しむ」▼の第1回目をすっかり忘れてしまって、欠席してしまいました。
このカレッジでは、座学と実踏を交互に学んでいるのですが、1回目をパスしてしまったので、プリントや
TBSテレビ「世界遺産 ル・コルビジェの建築作品」▼を見て、ちょっと自主学習して、今回の実踏に向かいました
上野に到着すると、国立西洋美術館が世界遺産に登録されたという旗がなびいていました。
国立西洋美術館▼は、みなさんご存じのようにル・コルビジェの建てたものですが、彼自身は来日してデザインを決めたのですが、あまり細かいところまでは指示をしなかったようです。
それで彼のお弟子さんたちが、コルビジェならこう作るだろうということで建てたものだそうです。
1959年築です。
さて、受講生はピロティで集合しました。
ここは、建築された当時は吹き抜けだったようですが、今はガラスが入っています。
コルビジェは、壁にはコンクリートの上にパネルを貼り付ける方法が好みだったようです。
お向かいにある
東京文化会館▼は彼の弟子の前川國男が作ったものですが、同じようなにパネルがありました。
こちらのほうが、国立西洋美術館よりも、パネルの石がごつごつして大きめでした。
ちなみに、この二つの建物はいろいろな部分で共通しているところがあります。
弟子の師匠に対する敬意が表れているようでした。
さて、このカレッジの講師の先生は、いつも建物の地震対策について説明されます。
美術館の前庭にあるロダンの彫刻も、下の部分は免振になっているそうです。
つまり、もし地震が来て地面が揺れていても、この像は揺れないのだそうです。
ということで今回も美術館に入るとまず、地下1階に行って、地震の設備を見ることにしました。
入場券はモネの絵でした。
これがその装置ですが、それほど大きいものではありませんでした。
建物と地面の間に、ゴムのようなものが間に挟まっています。
こちらは美術館の模型ですが、下の部分を見ると、免振工事をしたために隙間ができて、浮き上がって見えるのがよく分かります。
この工事は少しずつ進めたそうですが、本当に大変だったと思います。
(黄色い印のところです)
地下から1階に戻りました。
高い天井が素敵でした。
みんなで見上げているところです。
こちらは、その1階部分を上から眺めたところです。
今回の見学は建築の立場からでしたので、防災設備や防煙設備を見たり、非常口の仕組みを学んだりしました。
また天井の高さや光の取り入れなどについても学びました。
先生の建物の話が続きましたが、ようやく絵画のあるところにきました。
川崎造船の社長だった松方幸次郎という人の
松方コレクション▼が見事でした。
ここは天井が低くて、コルビジェは背の低い日本人向きにこの高さにしたのでしょうか。
こちらは照明が面白いところでした。
「モーリス・ドニ」という人の素描展▼をやっていました。
大きな作品を描く前に、部分的に人物画を予備練習をするという感じでしたが、とてもたくさんあって、良い作品にするための意気込みを感じました。
今回は常設展のところだけ行きましたが、ここはシニアは無料で入館できます。
また写真撮影もOK(フラッシュは不可)なので、いろいろと楽しめるところです。
こちらはモネの睡蓮。
西洋美術館には、他にもピカソ、ルノアールなど誰でも知っている有名な画家や彫刻家の作品がたくさんありますので、企画展でなくても楽しめます。
ミロの作品と共に。
これは付録ですが、上野の寛永寺周辺りを公園にしようと決めたのはオランダ人のボードワン博士という人でした。
彼は医者でしたので、当初の計画ではこの辺りに医学校を作ろうとしたのですが、環境の良さに目を付けて、ここを公園にしようと明治政府にアドバイスをしたそうです。
この人です。
東京都美術館の近くに銅像がありました。
1862年から1871年まで日本に滞在されたそうです。
この講座の実踏は現地集合・現地解散なので、私は美術館の後は、根津のほうまで向かいました。
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この日の装い。
先日、ながもちやさんで衝動会をしてしまった花柄の紬です。
サイズが私向けに小さいので、お安く買えました。
模様の色と、裏地の色が秋らしい辛子色なのが気に入りました。
でもこういう柄物は普段はあまり着ないので、なんだか落ち着きませんでした。
それで帯は、しょっちゅう締めている黒の幾何学模様の帯にしました。